北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

胡同

毎日新聞に書評掲載

11月10日付の毎日新聞に、拙著の書評が掲載されたようです。無料版はさわりだけとなりますが、簡潔にまとめてありながら、丁寧に読んでくださったのが伝わってきて、たいへんありがたいです。 mainichi.jp

『小説導熱体』に達智橋胡同をめぐるエッセイ

現代の中国文学を紹介する雑誌『小説導熱体』に、北京の胡同についてのエッセイを寄稿しているのですが、 今年8月に発売された第2号には、達智橋胡同についてのエッセイが掲載されました。 達智橋胡同と清末の維新派や、老舎の小説を映画化した『我這一輩子…

『北京を知るための52章』刊行

北京についてさまざまな角度から紹介したアンソロジー、『北京を知るための52章』がこのたび、明石書店より刊行されました。 私も執筆陣の一人として、消えゆく北京の市場や、北京の水脈について書かせていただきました。 ご興味があれば手にとっていただけ…

読売新聞国際版の記事で拙著を紹介

長らく、記事の更新がないままで申し訳ありません。 先月末、読売新聞の国際版に拙著、『老北京の胡同』をめぐる記事が掲載されました。初めて胡同に住んだ頃のことは、今でもよく覚えています。 現在、胡同そのものが何本も消失するようなケースは減ってい…

このたび、ARTSCAPE フォーカス欄に以下の記事を投稿させていただきました。 【北京】『変化と規制のなかでの模索』 http://artscape.jp/focus/10136845_1635.html胡同の店というのはもともと、一つや二つ消えても、住人や常連でない限り、なかなか気づかな…

難民を描いた映画「Le chant des hommes」

昨晩北京のフランス文化センターで「Le chant des hommes」を鑑賞した。 http://www.cinenews.be/fr/films/le-chant-des-hommes/videos/56526/ベルギーの映画で、邦題は『人間の歌』らしい。 主人公は、ベルギーで滞在許可を得ようとして何年も粘ったものの…

春節の明かりいろいろ

ここ数年はずっとそうなのだが、 今年も北京で春節を迎えることに。 というわけで、毎年恒例の鼓楼、鐘楼見物。 人が少ない旧年内にお寺参りも。 やっぱり、お寺は気持ちが静まるなあ、と思っていたら、これを見て目が点に。 薬師大師さまが「女が男に転ずる…

別れと出会い

しばらくぶりの北京で気付いた、「消失」と「出現」。「消えていたもの」 最寄りの日系スーパー。2週間前に店じまいしたとのこと。期待していたお正月用の食材が手に入らず、がっかり。「増えていたもの」 自転車マーク。自動車が路駐し放題の胡同に、自転車…

横並びの風景

実際問題の処理が全般的に苦手な私は、 役所関係の手続きも苦手。 で、今日も一日、書類やウェブサイトとにらめっこ。 世の中はなんて複雑に出来ているんだ、と嘆く。今回出した本もそうだけれど、 私はどうも、既成のジャンルや秩序に入り込むのが苦手らし…

丁未堂さんの『万物説』展と胡同の虹と四合院の図書館

先々回、ご紹介した北京デザインウィークの催し。 実は、798やら前門の一帯やらのあちこちで関連する展覧会が開かれていたのですが、前門の胡同では、身近な感じのする、温か味のある展示が光っていました。まずは、茶児胡同で開かれた版画作家の丁未堂さん…

デザイン・ウィークの最終日を一日勘違いしていたために、あやうく見落としそうになった 宮門口ー白塔寺の四合院リノベーション案。正直なところ、デザインウィークそのものには、 一見、チャレンジングでクリエイティブな表皮の裏にうごめく陰謀が感じられ…

涼しくなる風景

温度計を見るとそうでもないのに、 なんか暑く感じる今年の夏 実際、今、ロシアや韓国も猛暑に襲われているらしい北京もやっと、朝晩なら、ちょっとだけ涼しく感じられるようになったけれど、おとといくらいまでは、 人の脳みそも、電脳(パソコン)も溶けそ…

ずっとずっとやろうと思いつつ、できていないことは山ほどあるが、 その一つが相棒のホームページ作り。とにかく、ウェブサイトの制作に関しては、 冗談もほどほどにしろ、というほどの初心者なので、大真面目版はとんでもなく時間がかかりそう、ということ…

芝居がかった嘆きの真意

最近、我が家の周りは猫の王国だ。どういうわけだか、猫たちが わがもの顔にふるまっていて、 派手にドタバタと走り回るお陰で、屋根のひさしが壊れ、夜中でも目が覚めるほど。どうも野良猫と、野放しの飼い猫の、両方が混じっているらしい。そんな音や鳴き…

昨日もまた、楽しい胡同会。河合さん、松嶋さんの企画で、前門の東南の一帯を散策。 このエリアは、私にとっては古巣があり、その後も繰り返し訪れた、 本来、とても親しみ深い場所。でも、再開発による変化がとんでもなく大きいので、今は複雑な気分になる…

中国語テキストの口絵&エッセイの連載開始 テーマはウルトラ級趣味人

お知らせが遅くなりましたが、NHKラジオ講座『まいにち中国語』 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000009437042016.htmlの巻頭の口絵と巻末エッセイ、 この4月から新しいテーマで連載が始まりました。今回のテーマは“玩儿家 wanerjia”。 北京方言のこの言…

北京の春シリーズ 続きです。 まるで秋の紅葉か黄色い花のように見える新緑。 いよいよ花海棠も満開に。 お庭シリーズ。たわしと対話。 こんな片隅でも 以前、798で見た看板。ノーマン・ロックウェル?

昨日の胡同会で観た風景です。 天気も良かったので、お花見を兼ねた会になり、 改めて北京っていい街だな、と惚れ直しました。 担当してくださった小林さん、田村さん、ありがとうございます。

寒の戻りなんて生易しいものじゃありません。 ここ数週間、中国におけるインターネットの規制は、 春の砂嵐、または視界のまったくきかない大シケです。ちょっと調べ物をしようにも、開けないサイトが多すぎて、面倒なことこの上ない。 中国の学者さんや情報…

ガラガラの胡同とギュウギュウの廟会

春節が過ぎ、本格的なサル年到来。 この時期はふだん、人の波にもまれている古都北京が ほっと一息をつく瞬間のような気がして、 嫌いではないのだけれど、少し残念なのは、春節の胡同の「ガラガラ度」が ますます顕著になっている気がすること。今は胡同の…

深夜の110番

なんだか、1月は飛ぶように過ぎてしまって、あっという間にもう2月。 そしてふと、思う。子どもの頃って時間が経つのが遅かったな、と。さらに、子供の世話でてんてこまいしている大人と、 あくまでマイペースな子供なんかを目の当たりにすると、 やっぱり子…

宇宙的コバルト・ブルー

今日の北京は 長らく巨大冷蔵庫と化していた我が家のキッチンが、 いよいよ巨大冷凍庫に変わりそうな勢い。晩には零下16℃まで到達。 寒さがつらい反面、久々に北京の冬らしさを味わえ、嬉しくもある。 もちろんこれは、 温かい部屋にいる時にしか思えない事…

屋根の上でかぼちゃと綱引き

晶文社さんのウェブサイトの連載、知らぬ間に更新されていました。 季節外れで申し訳ないですが、春にならない内に、ご紹介しておきます。 http://s-scrap.com/672その他の連載記事も続いているのですが、掲載の報告を怠ってしまっていてすみません。

空気が良くなり、缶詰も終わり、日常が戻ってきた。先日、日本で中国人観光客に人気の電化製品店を テーマパーク的に参観し、その規模に改めて圧倒された。 でも、その時ふと、 こういった製品が普及し、日常的に使われる事で、結局のところ 電気の総消費量…

フリーランスライターのふるまいよしこさんが執筆されているメルマガ § 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな で、拙著『老北京の胡同 開発と喪失、ささやかな抵抗の記録』をご紹介いただきました。 http://yakan-hiko.com/furumai.html たいへんな中国通で…

まさに「待っていました」というべき、すばらしい特集です。 http://www.aij.or.jp/jpn/touron/top.html拙文も注で引用されていて、ありがたいです。四合院、とくに大雑院の改修に関わるさい、既成のイメージに囚われない、外国人ならではのメリットは大きい…

犬猫日和

動物運のいい日ってあるもの。 先日、胡同会の仲間や相棒と胡同を巡っていたら、 インパクトのある犬やら猫やらに何度も出会った。 写真はそのほんの一部。猫は民家の屋根を駆け廻り、犬は路傍の車のタイヤで縄張りを強化する。 あくせく仕事や旅行や買い物…

遅れても嬉しい案内状

今朝、8時ごろのこと。 ドアをトントンと叩く音がした。 「家にいるかい?」 と言う声はどこか聴きなれたものなので、 夫が慌ててドアを開けに行くと、 隣人のおじさんが立っていた。こう書くと、何だ、と思うかもしれないが、 この隣人というのは、今の家の…

もろもろ事情があり、更新が遅くなってしまってすみません。荒削りながら、梁啓超、梁思成父子の故居について、続きを書いてみました。 http://www.shukousha.com/column/tada/4337/梁思成と日本とのつながり、とりわけ彼が抱いたであろう日本の文化財への思…

晶文社のホームページの「スクラップ」が更新されました。 http://s-scrap.com/category/tadaasami近年、見る影もなくなってしまった粉房琉璃街。 でも、かつては北京で大好きな胡同ベスト3に入っていました。 だから、この写真を見ると涙が出そうになるの…