北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

辛くないお年玉

いよいよ明けました。
さて、今度はウサギ年。これを機会に中国人の相棒に「ウサギ」という日本語を覚えてもらうことにしました。
ところが相棒は、「ウサギ、ウサギ・・・あ、芥末だ」

私はすかさず、「それはワサビ!」
というわけで、我が家はワサビ年です。

でも実のところ、今年のお正月は「辛口」とは無縁のお年玉をいただきました。それは昨年末、知人が知らせてくれたあるニュース。

かの丸谷才一先生が、拙訳の『乾隆帝の幻玉』を「2010年この3冊」の中の一冊として、毎日新聞で紹介してくださったというのです。

改めて、素敵な作品を生みだしてくれた劉一達さん、この本と出会えた縁、そして翻訳から出版までの間、私を支えてくれた相棒に感謝したいと思います。