北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

うやむやになったピーナッツ事件

パンが切れたので、昨晩生まれて初めてロールパンに挑戦。 怪しい物でもないのに、例によって深夜すぎにいそいそと生地の形を整える。鉄板に並べ、ちょっと別の用事をしに部屋を出たのが運のつき。 戻ってくると、パンにピーナッツが突き刺さっていた。しか…

呼び名って難しい

昨日の朝、目ざまし代わりにラジオで現代版「評書」(中国の講談)を聴いた。日中戦争モノだったので、またか、と思ったが、よく聴いてみると、単なる二極分化系からはちょっと進化していて、太平洋戦争中、日本人の多くが大本営発表に騙される様子が描かれ…

空間「楽漁樵」と清水恵美さんの個展

最近、中国では「小而精(小さくても精緻に)」を追い求める動きが流行っているという。今はもう、スケールやサイズの大きさを求める時代ではない。小さくても精緻なもの、気遣いや思い入れの行き届いたものを大事にしよう。そんな志向が中国の一部の人々の…

個展裏話 胡同の七つの味

今回の展覧会のタイトルを決めていた時のこと。相棒が「チーウェイとチーウェイ、どっちにしようかな〜」と悶々としているので、 「何迷っているの?」と聞いたら、 「胡同の後を気味(チーウェイ)にしようかな、七味(チーウェイ)にしようかな?」とのこ…

カフェバー「Shala」にて写真展「胡同気味(胡同の匂い)」を開催

いつも一緒に仕事をしている相棒で夫の張全が、 建外SOHO西区にあるおいしくておしゃれなカフェバー「Shala」(沙羅珈琲)で2月21日よりミニ写真展を開きます。 北京にいらっしゃる方でお時間とご興味のある方はぜひご覧ください。以下がお知らせと行き方で…

爆竹炸裂の元宵節

今日は元宵節。元宵と呼ばれる団子を食べることで有名な日だが、もう一つ大事なのは、 北京の都心で爆竹が許される最後の日だということ。今朝の新聞の一面には「煙霧があるので、花火には相応しくない」と大きく見出しが出ていた。実際に今、大気はかなり思…

どうでもいい話

つい最近、日本映画の中国語字幕を観察していた時のこと。 人の名の後につける「〜ちゃん」を「〜醤」と訳していることに気付いた。 例えば、「福ちゃん」は「福醤」。「はは、面白いね、でもそしたら、私は麻美だから、麻醤(ごまだれ)だね。北京っ子は麻…

春節すぎて初雪

2日ほど前、いよいよ北京で初雪が降りました。私の知っている限り、春節が明けてやっと初雪が降るなんて初めて。 雪の日ならではの冷え込み方を、どこかほっとした気持ちで味わっています。青空が広がった翌日、道が歩きやすくなるのを待って、近所を散歩。 …

仙台も謎がいっぱい

今さらで申し訳ないが、昨年の旅の続き。仙台の胡同、じゃなくて横丁も面白かった、ということでしつこく仙台の話題。横丁に行く前に、まずは仙台の歴史に敬意を表すべく、仙台城跡へ。 建物はすべて失われているけれども、城壁はまだ残っている。 近くで見…

謎の現象

昨日、CCTV6で夜9時に林志玲主演の日中合作映画、「スイートハートチョコレート」を流していてびっくりした。そもそも規制があるため、中国のテレビ局で外国のコンテンツが流れることは少ないが、なかでも、夜の外国語映画枠は最近、どんどんと時間が遅くな…

ART SCAPE FOCUS 2月1日号 「考えるコピーマシーン」

「コピー」や「反復」は悪者扱いされがちですが、時に力強い表現にもなります。絵を描くことをパフォーマンスにしてしまった、いわば「考えるコピーマシーン」夏星。その9年がかりの力作をタリン・サイモンの作品と一緒に紹介してみました。ちなみに、作品に…

東岳廟の廟会

北京で春節を過ごす人の多くが、無視したくてもなかなか無視しきれないイベントがある。廟会だ。露店がたくさん出る縁日のようなものだが、近年は公園などで開かれることがほとんどで、ほとんどお寺や宗教とは関係のないイベントとなっている。この廟会、人…

消えたタイムズスクエア

今年の春節は、普通の人にとっては尋常すぎるほど尋常なのに、私にとってはかなり尋常ならぬ迎え方となった。新しい家族が忽然と何人も目の前に現れたからだが、それはもうおとぎ話のようなことなので、フィクションの世界に投げ込むことにする。日本と中国…