北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

映画

『小説導熱体』に達智橋胡同をめぐるエッセイ

現代の中国文学を紹介する雑誌『小説導熱体』に、北京の胡同についてのエッセイを寄稿しているのですが、 今年8月に発売された第2号には、達智橋胡同についてのエッセイが掲載されました。 達智橋胡同と清末の維新派や、老舎の小説を映画化した『我這一輩子…

遅ればせながら、北京映画祭について

今年、7回目を迎えた北京国際映画祭。 北京に来たばかりの時は、北京で国際映画祭が開かれたらどんなにいいだろう、と思っていたが、いざ始まってみると、 商談ベースの映画祭という位置づけで、正直、あまり期待できないなあという印象だった。だが7年の間…

難民を描いた映画「Le chant des hommes」

昨晩北京のフランス文化センターで「Le chant des hommes」を鑑賞した。 http://www.cinenews.be/fr/films/le-chant-des-hommes/videos/56526/ベルギーの映画で、邦題は『人間の歌』らしい。 主人公は、ベルギーで滞在許可を得ようとして何年も粘ったものの…

昨日から日本でも公開中のロウ・イエ監督の『ブラインド・マッサージ』について、 本とは違う角度から、紹介してみました(数日中に若干、訂正が入る可能性がありますが、大意は変わりません)。webDICE骰子の眼 2017年1月12日掲載

毎日新聞に紹介

1月4日付の毎日新聞のブックウォッチングに拙著の紹介が掲載されました。本の内容が分かりやすく伝わり、ありがたいですし、励まされます。 http://mainichi.jp/articles/20170104/ddm/015/070/027000c

『美術手帖』1月号に書評掲載&小学館『中日辞典 第3版』のコラム・巻末附録担当

嬉しいことに、 雑誌『美術手帖』の1月号の方で、拙著が紹介されました。 美術手帖2017年1月号実はもう一つご報告があり、先日発売された小学館の中日辞典第3版で、一部のコラムと巻末附録の執筆を担当させていただきました。相棒の張全も写真を多数、提供…

先回の日記で試みた画像の追加、何度試しても失敗します。 「はてなダイアリー」では時々、どう試してもアップできない画像があって、困ります。 サイズや縦横の比率、タイトルや保存場所などをどういじっても、頑なに拒否されてしまいます。 まさか好き嫌い…

今日は幸い、ケン・ローチ監督の新作『I, Daniel Blake』を鑑賞することができた。 滑り込みでEU映画祭に間に合ったお陰だ。 徹底的に弱者の側に立った『I, Daniel Blake』には深い共感を覚え、 何度も涙腺がゆるんでしまった。 福祉制度はいくら一見立派…

『映画と歩む、新世紀の中国』 配本開始

取り急ぎ、ご報告させていただくと、中国映画、特に大陸映画についてまとめた拙著 『映画と歩む、新世紀の中国』が、今日いよいよ配本となりました。 http://www.shobunsha.co.jp/?p=4078映画の取捨選択にはかなり悩みましたが、最終的に主に1990年〜2016年…

あれよあれよという間に月が変わってしまい、もう7月。

長らく、足だけあちこちを走り回る缶詰(?)のような状態だったので、ブログを更新できず、すみません。まだ暑中見舞いには早いのでしょうが、ふと気付くと、すでにすっかり真夏。 それで、つい視覚の方も涼しさを求めてしまうのですが、 先日見つけたこち…

ARTSCAPE 3月号 FOCUS およびその他の投稿

最近、中国のネット環境は大荒れですが、 リアルの世界では、素敵な人や興味深い作品、そしてプロジェクトにたくさん出会う機会がありました。 その一端をご紹介したのが以下の記事です。マクロに捉えた終末と未来 http://artscape.jp/focus/10120394_1635.h…

閲兵ブルーの北京とハバロフスクの風景

先日、北京に戻ってきました。今日は抗日+反ファシズム戦争勝利70周年の軍事パレード。 このイベントのもつ複雑な意味はさておき、 厳しい大気の管理がもたらしてくれた閲兵ブルーは衣服やシーツの洗濯には最適、 というわけで、昨日と今日は洗濯に励みまし…

さぼりがちの掲載記事のご報告ですが、現在店頭にあると思われるNHKラジオ『まいにち中国語』の7月号の巻末エッセイで、西逓と並ぶ世界遺産の村、宏村について書きました。(すみません。試し読みでは相棒の撮った口絵しか見られません) https://www.nhk-bo…

王小帥『闖入者』レビュー

インサイトチャイナの6月号に敬愛する王小帥監督の新作、『闖入者』のレビューを書きました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/intro/38/ 『闖入者』は三線建設を中心とする国家政策が個人の人生にどう影響したかを、加害者でもあり、同時に被害者…

湖畔でのたて笛レッスンと二つの市場、および映画『二重生活』と『唐山大地震』

春節休暇中、友人と前海のほとりで、たて笛を吹いた。なぜたて笛か?事の発端は、中国の某地方都市出身のその友人から、 相談を受けたこと。 子供の頃から何の楽器もいじったことがないという彼女は、 40歳になった今、急に何か音楽を演奏してみたくなったら…

蔡明亮の『郊游(ピクニック)』と監獄アート、そして唐山の磁器市場

毎度ながら、最近書いた記事についてです。まず、インサイトチャイナの電子雑誌(有料)の映画コラムでは、 台湾の巨匠、蔡明亮の最後の劇場映画とされる『郊游(邦題:ピクニック)』を紹介しました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/intro/32/ …

ヨーテボリ映画祭で日本映画特集

先日、スウェーデンの友達から、今年のヨーテボリ国際映画祭では日本映画が特集されるという知らせが届いた。 そして今日、いよいよラインナップが到着。 友人がどれを観ようかと迷っていたので、 お勧めの映画を教えてあげるべく、がんばって調べた。タイト…

梁碩の新作と遼寧の家畜市場と『薄氷の殺人』

そうだ、今日はクリスマスイブだった、と昼になって気づいた。 感覚的にまだ1週間はあると思っていた私。なんでみんな「クリスマス、クリスマス」って騒いでいるんだろう、と思っていたんだが、ほんとうにクリスマスだったんだ。 実はまだ、締め切りに追われ…

時事ネタがらみ その2

次は、高倉健の逝去について。 高倉健は80年代に大陸で一世を風靡した俳優だから、 これは中国ではかなり大きなニュースだ。だから、異例にも外交部の人が哀悼の辞を述べたり、 写真が週刊新聞『南方週末』の一面をデカデカと飾ったりした。CCTVのニュー…

『西遊記 はじまりのはじまり』と、その他あれこれ

「インサイトチャイナ」の10月号に、 この秋、日本で公開される映画『西遊記 はじまりのはじまり』のレビューを書いた。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/ タイムリー?にも今回は香港映画。映画界においても大陸の資本が大きな力を持っている昨今…

韓寒の『後会無期』

取り急ぎご報告です。映画を選ぶ段階で選考から落ちたと思っていた韓寒の『後会無期』ですが、 その後書いてもOKとなったため、以下の号で掲載させていただきました(閲覧有料ですみません)。http://www.insightchina.jp/newscns/emag/201409/韓寒は職が国…

アートと空間の関係、および「ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪」

またまた有料で恐縮ですが、インサイト・チャイナ電子雑誌版の8月号でおすすめの映画を紹介させていただきました。 今回は娯楽大作で、ちょうど今日から日本でも公開される、ツイ・ハークの『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪(原題:「狄仁傑之神都竜…

『京城81号』とシソジュースと血の池

我が家の近くに幽霊屋敷として有名な建物がある。 昨晩、その屋敷を舞台にしたホラー映画、『京城81号』を観てきた。 正直、中国のホラーをちゃんと映画館で観るのは初めて。一番近くの映画館では、チケットが売り切れて見られなかったのに、なぜか私たちが…

映画『帰来』でほんとうに帰ってきた張芸謀

連載を請け負っているわけではないのですが、ご縁があり、6月号でも電子雑誌「インサイトチャイナ」の映画欄を担当させていただきました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/201406/今回も有料の読み物で恐縮ですが、本号は張芸謀(チャン・イーモウ…

映画『黒四角』とボフミル・フラバル

奥原浩志監督の映画『黒四角』が、5月17日から日本各地で順次公開される。私も縁あって北京で鑑賞できたが、テーマや背景がとても親しみやすい上、いろんな意味で日中の映画人の力を結晶させているのが伝わり、力作だと思った。そこで、ぜひ多くの方に観てい…

『卵と石』のレビュー

ご報告が遅れましたが、電子雑誌版の「インサイトチャイナ」5月号で、黄驥監督の映画『卵と石』のレビューを書かせていただきました。(またまた有料ですみません)撮影を担当した夫の大塚さんによれば、撮影にあたっては4カ月村に滞在し、村に住んでいる…

「地底の葬列」鑑賞会

参加者の一人として行った「地底の葬列」鑑賞会。でも、内容があまりに興味深く、意義深かったので、つい記事にしてしまいました。 http://www.shukousha.com/column/tada/2932/フィルムや講演ももちろんすばらしかったですが、質疑応答の時間を十分にとって…

謎の現象

昨日、CCTV6で夜9時に林志玲主演の日中合作映画、「スイートハートチョコレート」を流していてびっくりした。そもそも規制があるため、中国のテレビ局で外国のコンテンツが流れることは少ないが、なかでも、夜の外国語映画枠は最近、どんどんと時間が遅くな…

チェコ映画、「Alois Nebel」と意外な幕間

先日、チェコ映画祭で、どうしても観ておきたい映画があったので、ある小劇場に行った。だが、行ってみると、上映されるのは劇場ではなく、その横の喫茶店内にあるサロン的スペース。椅子も7つくらいしか並んでいない。四合院を改造したこじんまりとしたア…

第三回北京国際映画祭と映画「Modest Reception」

15日より、いよいよ今年で三回目になる北京国際映画祭が始まった。 年々、パワーアップしているとは感じていたけれど、 今回は何と、審査委員長がニキータ・ミハルコフ!! この人選はとても微妙であり、巧みでもあると思う。父親は、ソ連の国歌の作曲者とい…