北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

韓寒の『後会無期』

取り急ぎご報告です。

映画を選ぶ段階で選考から落ちたと思っていた韓寒の『後会無期』ですが、
その後書いてもOKとなったため、以下の号で掲載させていただきました(閲覧有料ですみません)。

http://www.insightchina.jp/newscns/emag/201409/

韓寒は職が国によって分配された時代より後の作家のはずだけれど、私には作中に出てくる教師役の男性がその時代を象徴しているように見えてなりませんでした。私自身が、そういった時代が終わりかける頃に初めて中国を訪れているせいかもしれません。

先輩にあたる映画監督たちの影響も見えたりはしますが、とにかく、中国のここ20年の変化を知る70後、60後にも十分感情移入ができてしまう映画だといえそうです。そして、そういう映画を撮れてしまう韓寒ってやっぱただ者ではないな、と思ったのでした。

それにしてもこの映画、発表が郭敬明の『小時代』と張り合うかのようなタイミング。
若手人気作家が映画を撮るのが今の中国では流行っているのでしょうか。
ちなみに、知名度は二人には及びませんが、先月末には権聆の『忘了去懂你』も封切られました。