北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の夜のカフェで

先日、あるカフェ兼バーを訪れた時のこと。 メニューを見ると、値段が軒並み高いのでびびった。でも、コーヒーを頼むと、東北出身というお店のおばさんが 「インスタント?それともドリップ?」 と聞いて来たのでびっくり。庶民の客には庶民向けの商売をする…

今日の夕食

近所の子供リャンリャン(仮名)との共作。 「さあ、何作ろうか?」 お腹が空いている私と、食いしん坊のリャンリャン、食べたいものはどんどんと出てくる。 「タンフール―(さんざし飴)」 「お、さすが北京育ち。好きなの?」 「大好き!」 「それじゃあ私…

50年後の帰還

「自分の家」に戻ることに、50年の歳月と情熱を費やした方のお話をうかがう機会がありました。http://www.shukousha.com/column/tada/2466/70代半ばにして、21日間の座りこみ。なみの胆力じゃありません。 もちろん、組織したCHP、会場を提供した方も、も…

バーチャル月見

今年も、中秋節がやってきた。 でも曇り空なんで、月が見えず、残念。というわけで、兎児爺(兎じいさん)とバーチャル月見。 その昔、北京の民家ではこの日、庭に祭壇を置き、兎じいさんや月餅などのお供え物を並べたらしい。月の神様は女性のための存在だ…

天気予報のお宿

「天気予報は中国で一番、本当の事を言おうとしているテレビ番組」という天気予報ファンの相棒の影響で、私も天気予報はちょっと気になる存在。といっても、本当の事を言うのはやっぱり難しいのか、今日の天気予報も外れ気味。何はともあれ、今回、遊び&学…

北京のこの夏のパフォーマンスより

一つの部屋をいろんな作家が粘土のようにこねくり回すパフォーマンス。 出勤族でもないのに、同じ場所、同じ格好で1時間ごとにタイムカードを1年間打ち続けるパフォーマンス。 裸で夜の街を走ったり、犬の糞で文字を書いたり、洗面所に「交流」させたりする…

病院で井戸端会議

北京では一般の人はみな、ちょっとした治療でも大病院に行く。大げさなのではなく、個人病院というものがほとんどなく、あっても異常に診察代が高いか、会社の医療保険がきかないからだ。都心部以外では黒診所と呼ばれる、不法で怪しい私設診療所があったり…

大事なのは方向

ショックだった。世界を股にかけて創作活動をしていた知人のアーティスト、というか、仕事関連でインタビューをしたことがあるだけの私などが知人と呼ぶなんておこがましいほどの大家、中国現代アートの草創期を築いたことで知られる著名作家が、総額8000万…

日曜床屋の修正主義

実は、ずっと自分で髪を切ってみたいと思っていた。相棒のも自分のも。そんでもって、とうとうある日、自分の髪を自分で切ってみようとしたが、やっぱり後ろの髪は不安。人間、見かけより中身とはいえ、イメージは大事。そう疎かにはできない。そこで、冗談…

映画「エリシウム」とブラジル映画祭開幕

絶賛上映中ときいたので、「パシフィック・リム」を観に行こうとしたら、すでに上映終了。気になる作品は封切りとともに見なければ!との後悔から、昨晩封切りになった、映画「エリシウム」を見てきた。中国タイトルは「極楽空間」。この「極楽」という語彙…

「在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由」とアメリカの記憶

以前ご紹介した、中国に住む日本人の声を集めた本、 「在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由」 が8月末、いよいよ発売されたようです。8月30日に行われた出版熱烈歓迎会には、北京の編集チームや執筆者、そして毛丹青さん、泉京鹿さん、さらには…