北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

趙亮監督の『在一起』

インサイト・チャイナに投稿した映画レビューです。 これまた印象深い映画でした。 撮影対象となっている本体の『魔術外伝』の方は上映が延期されたままで、残念です。著名スターが出ていることですし、上映中止ということはないと思うのですが・・・。http:…

面白かった本2冊

それはずばりヨシップ・ノヴァコヴィッチの『四月馬鹿』と http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=09205と倉本聡の『拝啓、父上様』のシナリオ本。一冊は、内戦前後のユーゴスラビアが舞台、もう一冊は変化の時代にある東京が舞台。いずれも…

消火器景気

朝、いい青空だな〜と思っていたら、昼には薄黄色のもやが。 無数の車たちが、空に屁やおしっこをひっかけているイメージが浮かんでしまう。人だと「はしたない」なのに、車や煙突だと堂々かつ公然とひっかけられるのが不思議だ。ところで、不幸な事件から教…

映画「老那」

劉浩監督の「老那」のレビューを投稿しました。 http://www.insightchina.jp/newscns/?p=9948 高齢者の恋愛問題を扱っていることも興味深いのですが、そこに止まらず、広く「老い」の問題を丹念に追っています。 日本はおろか、中国でも観られる場所はごく限…

我が家のフュージョン?料理

もともと創作料理と称してめちゃくちゃなものを作ることがままある私だが、 最近の我が家の食卓のフュージョン度は更に増している気がする。今晩は、白菜と羊肉と山西省特産の山芋パウダー入りのお好み焼きを食べながら、クコの実を白酒に長い間漬けたものを…

盒の中のパフォーマンス

ARTSCAPEというアート関係のウェブサイトに投稿した文章です。北京には草場地と呼ばれる芸術区があり、さまざまな面白い展覧会をやっています。今年、取り壊されるとのうわさが駆け巡り、北京のアートファンをハラハラさせましたが、画廊の多い一帯は何とか…

日照重慶(重慶ブルース)

先回「インサイト・チャイナ」に発表した映画評です。 映画の原語タイトルにある日照は山東省にある地名です。地名が組み合わさって、太陽が重慶を照らす、という意味にもとれるタイトルになっているわけですが、日本語ではその妙味が翻訳不可能なのが残念で…