北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2016-01-01から1年間の記事一覧

『美術手帖』1月号に書評掲載&小学館『中日辞典 第3版』のコラム・巻末附録担当

嬉しいことに、 雑誌『美術手帖』の1月号の方で、拙著が紹介されました。 美術手帖2017年1月号実はもう一つご報告があり、先日発売された小学館の中日辞典第3版で、一部のコラムと巻末附録の執筆を担当させていただきました。相棒の張全も写真を多数、提供…

先回の日記で試みた画像の追加、何度試しても失敗します。 「はてなダイアリー」では時々、どう試してもアップできない画像があって、困ります。 サイズや縦横の比率、タイトルや保存場所などをどういじっても、頑なに拒否されてしまいます。 まさか好き嫌い…

横並びの風景

実際問題の処理が全般的に苦手な私は、 役所関係の手続きも苦手。 で、今日も一日、書類やウェブサイトとにらめっこ。 世の中はなんて複雑に出来ているんだ、と嘆く。今回出した本もそうだけれど、 私はどうも、既成のジャンルや秩序に入り込むのが苦手らし…

上映会&トークイベント、無事終了

移動や外出が続いていたため、ご報告が遅れて申し訳ありません。 11月24日に神保町のブックカフェ、「チェッコリ」で開かれた『ようこそ、羊さま』上映会&『映画と歩む、新世紀の中国』出版記念トークイベント、盛況のうちに終了しました。活発なご質問から…

刊行記念イベント&『ようこそ、羊さま。』上映会*[映画]

11月24日に東京の神保町で映画の上映会を兼ねた拙著の刊行記念イベントが開かれます。ご興味のある方は、ぜひいらしてください。 (以下晶文社さんからの詳細です。) ■ 開催日:2016年11月24日(木) ■ 時 間:18:00〜21:00 ■参加費:1…

今日は幸い、ケン・ローチ監督の新作『I, Daniel Blake』を鑑賞することができた。 滑り込みでEU映画祭に間に合ったお陰だ。 徹底的に弱者の側に立った『I, Daniel Blake』には深い共感を覚え、 何度も涙腺がゆるんでしまった。 福祉制度はいくら一見立派…

丁未堂さんの『万物説』展と胡同の虹と四合院の図書館

先々回、ご紹介した北京デザインウィークの催し。 実は、798やら前門の一帯やらのあちこちで関連する展覧会が開かれていたのですが、前門の胡同では、身近な感じのする、温か味のある展示が光っていました。まずは、茶児胡同で開かれた版画作家の丁未堂さん…

『映画と歩む、新世紀の中国』 配本開始

取り急ぎ、ご報告させていただくと、中国映画、特に大陸映画についてまとめた拙著 『映画と歩む、新世紀の中国』が、今日いよいよ配本となりました。 http://www.shobunsha.co.jp/?p=4078映画の取捨選択にはかなり悩みましたが、最終的に主に1990年〜2016年…

デザイン・ウィークの最終日を一日勘違いしていたために、あやうく見落としそうになった 宮門口ー白塔寺の四合院リノベーション案。正直なところ、デザインウィークそのものには、 一見、チャレンジングでクリエイティブな表皮の裏にうごめく陰謀が感じられ…

昨日の朝日夕刊に拙文が掲載されました。 http://www.asahi.com/articles/DA3S12580382.html秋が深まらないうちに、 自作杖カバーの 秋のコレクションをば。クラシカルなおしゃれを演出? なんて言ってはみるが、じつは完全に布頼み しかもラクして、手縫い…

ARTSCAPE9月1日号フォーカス 『記録・再構成される土着性』

今ちょっと、お尻に火がついているので、簡単な紹介ですみません。最近のいくつかの展覧会を通じ、土着性と現代アートの関係を自分なりに追ってみました。ARTSCAPE・フォーカス『記録・再構成される土着性』 http://artscape.jp/focus/10126674_1635.html文…

掃除機のゴミを集める精神 二井康雄 『ぼくの花森安治』読後感

秋の気配は、そこはかとしか感じられず、じれったいかぎりですが、 本のご紹介の方はじらさないことにします。 表紙を見ただけで、なんかすごくいいなあ、と思ったのはこちらです。昨年、相棒の張全の展覧会で書き文字を書いてくださった二井康雄さん(futai…

ほとんど遊べなかったこの夏もいよいよ終盤が目の前。 山とか草原に避暑に行きたかったけど、まったく時間なし。 遊べなかったから、名残惜しさもないぞ! というのはもちろん強がりで、 やっぱ、ちょっとくらいは名残惜しがりたいかも。NHKラジオ『まいにち…

涼しくなる風景

温度計を見るとそうでもないのに、 なんか暑く感じる今年の夏 実際、今、ロシアや韓国も猛暑に襲われているらしい北京もやっと、朝晩なら、ちょっとだけ涼しく感じられるようになったけれど、おとといくらいまでは、 人の脳みそも、電脳(パソコン)も溶けそ…

ずっとずっとやろうと思いつつ、できていないことは山ほどあるが、 その一つが相棒のホームページ作り。とにかく、ウェブサイトの制作に関しては、 冗談もほどほどにしろ、というほどの初心者なので、大真面目版はとんでもなく時間がかかりそう、ということ…

暑いのは苦手だ。なので、そんなこと言ってもしょうがないのに、 つい「あちーあちー」と言ってしまう。でも、今日は言ったお陰で、ちょっとだけ涼しくなった。なぜなら、私が「あちーあちー」と言っていると、 まんねん日本語勉強中の相棒が、丸刈り頭を振…

あれよあれよという間に月が変わってしまい、もう7月。

長らく、足だけあちこちを走り回る缶詰(?)のような状態だったので、ブログを更新できず、すみません。まだ暑中見舞いには早いのでしょうが、ふと気付くと、すでにすっかり真夏。 それで、つい視覚の方も涼しさを求めてしまうのですが、 先日見つけたこち…

芝居がかった嘆きの真意

最近、我が家の周りは猫の王国だ。どういうわけだか、猫たちが わがもの顔にふるまっていて、 派手にドタバタと走り回るお陰で、屋根のひさしが壊れ、夜中でも目が覚めるほど。どうも野良猫と、野放しの飼い猫の、両方が混じっているらしい。そんな音や鳴き…

無国籍な頭でっかちたち

原稿書きに追われる毎日なんだけれど、 煮詰まってきたので、 またちょっぴりキャラクターの世界に逃避。牛街の友人にもらった、新疆産の列巴(ロシア風パン)。 自分で自分をおいしそうに食べている、 ほんとうにおいしいパン。同じく細長系の春節の灯籠。…

今年もロシアに行こう思っていたのだが、 なかなかめどが立たないので、 去年出会った面々を思い出し、 再訪の希望を温める毎日。以下はハバロフスクの遊園地の風景。 日常に溶け込んだ、さりげない非日常って感じがよかった。 一人、生身の人間が混じってい…

昨日の朝日新聞夕刊に卜樺と呉俊勇のアニメ作品に関する拙文が掲載されました。 http://www.asahi.com/articles/DA3S12329944.html グレートな壁に囲まれてはいても、大事なのはコンテンツ。 コンピュータってやっぱり一つの宇宙ですね。 その表現ツールとし…

昨日もまた、楽しい胡同会。河合さん、松嶋さんの企画で、前門の東南の一帯を散策。 このエリアは、私にとっては古巣があり、その後も繰り返し訪れた、 本来、とても親しみ深い場所。でも、再開発による変化がとんでもなく大きいので、今は複雑な気分になる…

中国語テキストの口絵&エッセイの連載開始 テーマはウルトラ級趣味人

お知らせが遅くなりましたが、NHKラジオ講座『まいにち中国語』 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000009437042016.htmlの巻頭の口絵と巻末エッセイ、 この4月から新しいテーマで連載が始まりました。今回のテーマは“玩儿家 wanerjia”。 北京方言のこの言…

北京の春シリーズ 続きです。 まるで秋の紅葉か黄色い花のように見える新緑。 いよいよ花海棠も満開に。 お庭シリーズ。たわしと対話。 こんな片隅でも 以前、798で見た看板。ノーマン・ロックウェル?

昨日の胡同会で観た風景です。 天気も良かったので、お花見を兼ねた会になり、 改めて北京っていい街だな、と惚れ直しました。 担当してくださった小林さん、田村さん、ありがとうございます。

寒の戻りなんて生易しいものじゃありません。 ここ数週間、中国におけるインターネットの規制は、 春の砂嵐、または視界のまったくきかない大シケです。ちょっと調べ物をしようにも、開けないサイトが多すぎて、面倒なことこの上ない。 中国の学者さんや情報…

ARTSCAPE 3月号 FOCUS およびその他の投稿

最近、中国のネット環境は大荒れですが、 リアルの世界では、素敵な人や興味深い作品、そしてプロジェクトにたくさん出会う機会がありました。 その一端をご紹介したのが以下の記事です。マクロに捉えた終末と未来 http://artscape.jp/focus/10120394_1635.h…

天津ー静岡便は開通したのか

先日嬉しいことがあった。 北京で十五年近くのつき合いがある友人が、 いよいよ日本に旅行に行ったのだ。 彼女は、日本語を学んだわけでも、日本関係の仕事をしているわけでも、 日本文化と格別に親しんでいるというわけでもない。 旅行こそ好きだけれど、い…

ガラガラの胡同とギュウギュウの廟会

春節が過ぎ、本格的なサル年到来。 この時期はふだん、人の波にもまれている古都北京が ほっと一息をつく瞬間のような気がして、 嫌いではないのだけれど、少し残念なのは、春節の胡同の「ガラガラ度」が ますます顕著になっている気がすること。今は胡同の…

傾けた数だけ福が来る?

いよいよ春節が近づいてきた日、面白いビールをもらいました。 「福が倒れて(フーダオ)、福到る(フーダオ)」の掛け言葉が入った、 北京ビールの春節バージョン! 缶を傾けて戻すたび、福がやって来る、というわけで、 たくさんの福を到来させるなら、 缶…