北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

北京生活をめぐる新連載開始

以下の記事は、現在、時おり更新している

イルクーツクの風の音

の記事と重複してしています。ご了承ください。

 

4月の頭は新学期が始まる季節、という感覚は、

海外に長く住んでいるとどうしても、

記憶の彼方に遠のいていってしまうのですが、

 春になると、気を引き締めて、やりたかったことをちゃんとやろう、

という気持ちになれるのは、

やはり春に新学年を迎えていた習慣の名残でしょうか。

 

そして何より忘れてはいけないのは、

春は新連載が始まる季節でもある、ということ。

NHKラジオの『まいにち中国語』という番組のテキスト 

長らく連載させていただいているエッセイ、

今年の春は、16年半北京に住んだ経験をもとに、

『北京暮らしで見てきたこと』

という連載を始めさせていただきます。

(試し読みではエッセイまでたどりつけなくてすみません)

 

イルクーツクに来てからも、時々見に行きたいと思っていた中国の変化。

ここ1年余は新型コロナの流行のために、実現が難しいままですが、

幸い北京の友人たちが時折、北京の風を届けてくれます。

いい変化も、あまり歓迎できない変化もありますが、

北京はやはり、大事な心の故郷のうちの一つです。

 

また、こちらの中国料理の食材店やレストランには、

中国北方出身の人が多いので、

時おり北京語が使えるのも、ありがたい限り。

コロナ禍によって来れなくなったり、帰れなくなったりした中国系の人々は

たいへん多いようで、あるハルピン出身の女性も、

故郷になかなか帰れないことを嘆いていました。

「今、飛行機でハルビンに帰ろうと思ったら、モスクワ、アブダビ、北京を経由しなくてはならない。そんな、地球を一周するみたいな航空券、高すぎてとても買えない」

とのこと。

そりゃ確かに大変だ……。

 

そんなわけで、ロシアー中国間はまだちょっと遠いままの毎日ですが、

この連載を通じて、中国の暮らしが

より多くの人にとって身近に感じられるようになることを

心から願っています。