北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2010-01-01から1年間の記事一覧

趙亮監督の『在一起』

インサイト・チャイナに投稿した映画レビューです。 これまた印象深い映画でした。 撮影対象となっている本体の『魔術外伝』の方は上映が延期されたままで、残念です。著名スターが出ていることですし、上映中止ということはないと思うのですが・・・。http:…

面白かった本2冊

それはずばりヨシップ・ノヴァコヴィッチの『四月馬鹿』と http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=09205と倉本聡の『拝啓、父上様』のシナリオ本。一冊は、内戦前後のユーゴスラビアが舞台、もう一冊は変化の時代にある東京が舞台。いずれも…

消火器景気

朝、いい青空だな〜と思っていたら、昼には薄黄色のもやが。 無数の車たちが、空に屁やおしっこをひっかけているイメージが浮かんでしまう。人だと「はしたない」なのに、車や煙突だと堂々かつ公然とひっかけられるのが不思議だ。ところで、不幸な事件から教…

映画「老那」

劉浩監督の「老那」のレビューを投稿しました。 http://www.insightchina.jp/newscns/?p=9948 高齢者の恋愛問題を扱っていることも興味深いのですが、そこに止まらず、広く「老い」の問題を丹念に追っています。 日本はおろか、中国でも観られる場所はごく限…

我が家のフュージョン?料理

もともと創作料理と称してめちゃくちゃなものを作ることがままある私だが、 最近の我が家の食卓のフュージョン度は更に増している気がする。今晩は、白菜と羊肉と山西省特産の山芋パウダー入りのお好み焼きを食べながら、クコの実を白酒に長い間漬けたものを…

盒の中のパフォーマンス

ARTSCAPEというアート関係のウェブサイトに投稿した文章です。北京には草場地と呼ばれる芸術区があり、さまざまな面白い展覧会をやっています。今年、取り壊されるとのうわさが駆け巡り、北京のアートファンをハラハラさせましたが、画廊の多い一帯は何とか…

日照重慶(重慶ブルース)

先回「インサイト・チャイナ」に発表した映画評です。 映画の原語タイトルにある日照は山東省にある地名です。地名が組み合わさって、太陽が重慶を照らす、という意味にもとれるタイトルになっているわけですが、日本語ではその妙味が翻訳不可能なのが残念で…

胡同の絵描きさん

(撮影/張全)破壊が進む胡同の残影を追いかけている間、幾度となく出会い、親しみを覚えた光景です。手段こそ異なれ、きっと私たちも同じことをしているんですよね。一刻でも早く何かの形で留めなければ、永遠に失われてしまう。有名人の故居などには、す…

足にぐるぐる

初冬のある日、日本で買った新品のレッグウォーマーをつけて、さっそうと?我が家のある四合院の門をくぐろうとした。すると、入口のところで、同じ院の仲の良いおばあさんに会った。そのおばさん、すかさず「あらまー、どうしたの、だいじょうぶ?足にぐる…

単館上映の貴重な試み

集広舎のHPに連載している「北京の胡同から」というコラムに寄稿した、北京での単館上映の試みをめぐる紹介です。 http://www.shukousha.com/column/beijing025.html

北京人情

訳あって、ここずっと松葉づえを使っている。この生活がどれくらい続くのかは不明。医者も「わからない」と言う。不便なことも多いけれど、悪い事ばかりでもない。 まず、市場で値段をふっかけられることが激減した。 まあ、「いじめちゃいけない気の毒な人…

新規まき直し

これで何度目か分かりませんが、 ふたたびブログの引っ越しです。もうじき消滅するようですが、古巣はこちら http://dongxiang24.spaces.live.com/ その前はこちらにいました。 http://lecok.exblog.jp/これを機に、相棒の張全の写真や、拙文のうち、ネット…