北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

天気予報のお宿

「天気予報は中国で一番、本当の事を言おうとしているテレビ番組」

という天気予報ファンの相棒の影響で、私も天気予報はちょっと気になる存在。

といっても、本当の事を言うのはやっぱり難しいのか、今日の天気予報も外れ気味。

何はともあれ、今回、遊び&学会参加で北京に来た友人の観光に付き添うため、選んだ宿が、奇しくもそんな憧れの(?)天気予報とゆかりの場所で、
その名もずぼり中国気象局招待所。

中国気象局の敷地はびっくりするほど広大だった。幼稚園や宿舎、出版社や書店、それに職員用らしきマンションもあって、立派なコミュニティ。

そして、宿のお隣には、名前からして天気予報の番組を作っているらしき建物、「気象影視」ビルが。下には中継用の専用車も。

中国の理科系の学者さんによれば、気象局はほんとうに「おいしい」職場なのだとか。詳しい理由は分からないが、ゲートからホテルまでのなかなかの距離に、国の機関はただ存在感があるだけでなく、物理的にも「広い」ことを実感させられた。

ちなみに、宿はツインで一泊一部屋220元。北京で外国人が泊れるシャワートイレつきの部屋としては、格安の値段。設備やサービスはそこそこで、英語が通じるかも微妙だが、フロントの態度は良好。中関村に用事がある人には、ちょっとお勧めかもしれない。

日本の気象庁にホテルなんてなさそうで、中国独特のシステムなんだろう。そういえば、成都では、一人っ子政策をつかさどる役所が経営するホテルに泊った。

それにしても、北京のホテルに泊るのはバックパッカーで来た1994年以来。ちょっと旅行者の目で北京が見られて新鮮な3日間だった。