北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

スプラッター&ミステリーの晩

昨晩、缶詰続きでストレスがたまっていたので、深夜すぎに丸一匹の三黄鶏をさばいてしまった。

三黄鶏は、わりと信頼している有機食品スーパーで買ったもの。
放し飼いの鶏のはずだから、鶏としての人生(?)も、一応ある程度は謳歌できたはず、と信じて肉切り包丁を手に取る。

だが、チョップ!チョップ!とぶった切れば気が晴れる、なんてことは決してなかった。

毛も内臓もとってあったけど、鶏丸ごとを扱うのは生まれて初めてだったので、むしろかなり怖い体験に。当たり前だが、爪も首も生々しい。始めた後、かなり後悔。

でも、おかげで、生き物を食べさせていただいている、という感じがして、ニワトリ氏へのありがたみが増した。なぜか魚ではあまり感じないのに。(ごめんなさい、魚さん)。

人間の業って深いなあ、としみじみ思っていたら、作業の拍子に鶏の目玉が一個だけ跳び出て、行方不明に。

どうしても見つからず、なんで〜と半泣き状態で焦る、
スプラッター&ミステリーの深夜二時