北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

花の五目炒め

いつも報告のタイミングを逃してしまうのですが、、
「まいにち中国語の12月号」が発売されたもよう
http://www.magastore.jp/product/15523

四月からは「みどりの中国」がテーマで、
相棒が口絵の写真を担当し、私が巻末のエッセイを担当しています。今回は飲み食いできる花について。

花といえば、パリも顔負けの「花の都」昆明。
というわけで、さっそく訪問、昆明植物園内で、花が食べられそうなレストランを見つけ、嬉々として乗り込んだ時のこと。
取材のためにいくつかの「花を使った食べ物と飲み物」を注文。
さあ花だ!と腕まくりしたはいいが、ほんとうは心の中でちょっと

なんだかフラワフラワしてて、香りはいいけど、食べ物の香りじゃなくって、こんなのをむしゃむしゃおいしく食べられるなんてやっぱ昆虫だけじゃないか、とちょっと思ったりしてしまう、お腹にたまらない代物

なんじゃないだろうか、と勝手に予想していた。

ところがどっこい。
この号で紹介しているお花系食べ物&ドリンクは、ほんとうにどれもおいしくて、特に口絵で服務員が手に持っている料理などは、ご飯が進んでしょうがない、濃いめのパンチのきいた味。

五種類の花が炒められた、いわば花の「五目炒め」。

それにしても、花のくせに
きれいで香りもいいだけでなく、おいしいなんて

天は二物を与えずなんてうそっぱちだ!
とちょっと思ってしまうのでした。