北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

大連の旅と映画「親愛的」、そして魅惑的な夜市

最近、三本の原稿が活字になりました。
まずは旅行記。
これまで、ハルビン、瀋陽の順で東北地方の歴史ある街並みの現状を綴りましたが、
最終回は大連です。
http://www.shukousha.com/column/tada/3663/

東北地方の歴史は、シンプルなようで、ほんとうに奥が深い。流れ込んだ街は同じ大連でも、流れ込んだ人たちはさまざま。
現代史は、時間が近いだけに、同時代の情報が横に広がっていて、物語があれこれ想像できてしまうので、すぐ横道に入りこんでしまいます。

今回も、まとめなきゃ、とは思いつつ、資料を読めば読むほど収拾がつかなくなり、苦悶の数日間に。現地で「古い街大好き」という私たちの波長にピピッと反応してくださった親切な方々が、結局は街歩きだけでなく、執筆のナビゲータ―にもなってくださいました。

それから、こちらの閲覧は有料になってしまいますが、映画好きの方はインサイトチャイナの記事もどうぞ。
http://www.insightchina.jp/newscns/emag/intro/31/
「親愛的」は児童売買を扱ったシリアスな作品ですが、ヴィッキーや黄渤といったスターの起用で話題性を高めつつ、大衆的要素と社会派の要素の整合もそこそこうまくこなしていて、一見の価値がある映画だと思いました。

大事なのは、こういう映画が、我が家の近くの、とてもひなびた映画館でも流れるようになったこと。他の映画と比べ、この映画だけ劇場の入り口にポスターがありませんでしたが、お客さんもそこそこ入っていました。

私の記事ではありませんが、この号では、老舗の銭湯で、私も行ったことがある鑫園浴池の閉店も紹介されていて、その部分は試し読み可能です。
日本でも銭湯は苦戦しているようですが、ここはすでに文化財ともいえる銭湯だったので、閉店はとても惜しい。
余談ですが、記事には裸のおじちゃんたちも登場。いろんな意味で私にはできない大胆な芸当ですが、使われてこそ銭湯ですから、ほんと、生きた記録です。

最後に、ご報告が遅れましたが、NHKラジオテキストの11月号も発売されました。
こちらは口絵が試し読みできます。
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=09101112014

今回のテーマは夜市。天津やハルビンが舞台です。それにしても夜市って、何であんなに商品が魅力的に見えるのでしょう。

買い物をあまりしない私まで買う気にさせるのだから、さすがです。
お陰で、8つしか音が出ないおもちゃのミニミニハーモニカなんて買ってしまいました。