北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

ただの壁だといえばそれまでだけど

ご報告が遅れてしまいましたが、晶文社の連載が更新されていました。

好景胡同の壁

自分が人生の壁にぶち当たりまくってきたせいか、
または北京は「壁」と縁が深い街だからか、
味わい深い古い壁を見つけると、つい見入ってしまいます。
落書きや張り紙、昔のスローガンなどが見つかることもあり、
それらの情報量もなかなかなのですが、
しっくいやレンガ自体が魅力を放っている事も少なくありません。

先回の胡同会では、私が散策コースの企画をさせていただいたのですが、
やはり壁が気になってしまい、他の方にはどうでもいいかも、とちょっぴり思いつつも、
民国期に北京大学のキャンパスを仕切っていた壁を、
ついコースに盛り込んでしまいました。

ちなみに、こちらは先回の山西省旅行で見つけた壁です。

神像のバックにマルクス・レーニン主義という言葉の一部と思われる、「列寧主義」が見えます。神像一対は明らかに後から補充されたものですが、
こんな言葉と並ぶことになって、神像たちもさぞかしびっくりしたことでしょう。