北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

胡同一号の七不思議 その3 & 日本舞踊の公演のお知らせ

平凡にみえて深い謎を秘めた胡同一号。話題は尽きません。
そして不思議その五。

胡同一号には大きな門があります。結構堂々とした門で、一時期テレビ番組でレポーターがしゃべる時のバックにも使われていたほどのもの。胡同からちょっとモノモノしく八の字型に奥まっていて、かつての住民の勢力の大きさを感じさせます。

でも、それにしてもこれはあくまで門。屋外スペースです。今は院の中の複数世帯の住民が毎日何度も行き来する場所です。

でもなぜか、ここに来ると人は寛いでしまうらしいのです。とりわけ欧米人が。

その証拠に異常に臭い。

簡単にいえば、絶好の立ちションスペースになっているんですね。相棒も、立ちションベンをしている欧米人を二人も見かけたそう。

「ここでおしっこをする奴は人間じゃない」といった殴り書きがされたこともありますが、一向に効き目なし。夏はさすがに外に人が多いので和らいでいましたが、寒くなるとまた復活。威厳ある立派な門もかたなしです。

ところが、こんなのはまだ分かる話です。うちはバー街からも近いし、通りから死角にあるから、公共トイレが見つからなくて戸惑う人が、ついつい引き寄せられちゃうのも分からなくはない。

でも、もっと寛いじゃう人がいるようなのです。

ある日、相棒が同じ院のおじいちゃんと立ち話をしていたら、こんなネタが飛び出したらしい。

「しょんべんだけじゃない。あの門では何だってやる人がいるよ」
「えっ?」
「朝四時くらいに眠れなくて門の所までぶらぶら歩いて行ったら、えらくびっくりした」
「びっくりって?」
「二人の外人さんがね、すっぽんぽんで『談恋愛』してたんだよ。いやあ、若い人はやっぱり違うねぇ」

『談』は語るだけど、絶対にこれは語ってんじゃない。。夏で暑い時期だったとはいえ、何とオープンな・・・。

おじいさんによれば、二人は服を門の外で脱ぎ、門の下の隙間にもぐりこんで、その中で『談恋愛』していたそうだ。

何でそこまで寛いじゃうんだ??しかもおしっこ臭いところで。

これはもう、何かを「解き放つ」霊が棲んでいるとしか思えません。
さあ、しがらみから解き放たれたければ、あなたもぜひ胡同一号へ!


最後に友人が関わっている舞台のお知らせです。以下、コピペします。それにしても、下ネタブログとのこの落差。主宰者の方ごめんなさい。

『藤間万惠 北京 日本舞踊の会』
ご観覧のお誘い

 芸術の秋も深まって参りました。そんな季節にぴったりの日本舞踊と歌舞伎演目の舞台がいよいよ今月22日、23日、宣武門の繁星戯劇村・弐劇場で在中国日本大使館、北京日本人会、中国日本商会のご後援をいただき、開催する運びとなりました。        

  昨年9月より文化庁派遣・文化交流使として、中国で日本舞踊を普及してまいりました藤間流師範・藤間万惠が主演・演出、日中の学生たちが古典の本格舞踊や創作舞踊に挑むほか、藤間万惠が震災からの日本復興の願いを込めた本公演初公開のオリジナルの創作舞踊を披露いたします。また、藤間万惠が男女二役を主演し、義経・弁慶と平家の亡霊との闘いを描いた迫力満点のお芝居まで、日本舞踊のあらゆる魅力を満載にした1時間45分の舞台となっておりますので どうぞご家族、お友達お誘い合わせの上、ご来場くださいませ。

日時:10月22日(土) 19:30(開演)
   10月23日(日) 16:00(開演)
   
場所:繁星戯劇村 弐劇場 
西城区宣武門内大街抄手胡同64号
地下鉄宣武門駅北西出口すぐ 
チケット代:200 元/120元/学生チケット60 元
チケット専用電話:13671224204(日中可)
チケット用メール:xrover.stage@gmail.com
 ※座席は区域ごとの自由席ですので、お早めにご来場くださいませ。(30分前開場)
公式HP: http://fujimamae.tap.cn/


<中国の若者たちと『新・船弁慶』の稽古をする藤間万惠=国際交流基金北京日本文化センター多目的ホールにて、撮影・謝超>