北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

「中国におけるアニエス・ヴァルダの浜辺」展とパルケット展

 唐突ですみませんが、恐らく今日の朝日新聞に拙文が掲載されます。

 ここ数年、北京の現代アートのパートを担当させていただいている、文化芸能欄の『海外通信』という連載コラムです。

 今回は、私が中央美術学院の美術館で観た展覧の中では、一、二を争う充実度だと思われるアニエス・ヴァルダの『中国におけるアニエス・ヴァルダの浜辺』展と、798のユーレンス現代アートセンターでのパルケット展を紹介しました。

 アニエス・ヴァルダの映画については、数年前に北京で開かれたフランス映画祭でかなりいろいろと上映されて以来、ずっと興味がありましたが、今回は彼女の写真作品や映像インスタレーション作品までもが紹介され、衝撃的でした。やはり、女性でこれだけ天才的かつ精力的に作品を生み出し続けている大先輩がいると、嬉しいですね。ほんとうにかっこいいです。

 一方、「パルケット」というのは、スイスで1980年代から発行されてきた美術雑誌で、これまでヨーロッパとアメリカのアート界の懸け橋となるべく、時代を先駆けたさまざまな現代アート作家を紹介してきたことで有名です。
 今回は、この雑誌とコラボしたアーティストが雑誌の経営を助けるために作った作品、212点が展示されています。同趣旨の展覧会は過去にも金沢二十一世紀美術館で行われたようですが、やはり海外の現代アートの作品を観る機会が圧倒的に少ない北京では、特別の意味が生まれざるを得ない展覧会だと思いました。

 興味のある方は、ご高覧頂けると幸いです。また、いずれもまだ展示中ですので、北京にお住まいの方は参観可能です。(ヴァルダ展は4月18日まで、パルケット展は4月8日まで)