北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

閑話タイム

昼間、しばらくミクシィが開けなくなるなどのアクセス障害があり、焦った。

島問題が沸騰中だが、私のまわりはいたって冷静で、ラーメンなど投げられてはいないので、ご安心を!

心の支えは北京の中国人の友人たち。表だって政治の話はしないけれど、そっとショートメッセージを送ってくれたり、電話をかけてくれたりして、いつもと変わらない態度で接してくれている。やっぱりどこの国にいても持つべきものは親友。

この夏、日本旅行を予定していた上海人の友人も、「ボランティアに参加したので旅行に行けなくて残念。いろいろ怖い報道はあるけど、日本に旅行に行きたいという気持ちはぜんぜん変わってない!」と、何とも嬉しいメールをくれた。

島問題はいろいろと知れば知るほど複雑で、日中米の政治や歴史、特に植民地主義や冷戦などがからまっているので、ここで安易なコメントは控えるけど、

両国+台湾の一部の人々がヒートアップしまくり、注目しすぎて焼けただれ、文字通り焦げちゃうんじゃないかと思うほど「焦点」になっている、その肝心の島が基本的に無人島だというのが何だかシュール。

島で密猟した人がいるだけ、台湾にちょっと分があるかもしれないが、結局どこの国の島でもないんじゃない?と思ってしまう私は非国民なんだろうか。

無法地帯になっては確かに危ないけれど、人や技術が投入され、ジャンジャン開発されちゃうのはもっと不安。妄想屋としては、センカクモグラやアホウドリに「主権」を主張してほしい、と思ってしまう。絶滅危惧種の彼らが一番その権利をもっているんだから。

それにしても、大海原の中に浮かぶ、ほとんどの人が行ったこともないし、これから行くこともないであろう無人島をめぐって、国や民族や歴史を持ちだしヒートアップできる人類というものは、実に複雑な脳をもっている生き物なのだ、と思わずにはいられない。