北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

初盆出張旅行記 その6

さて、帰り(神戸→上海)の鑑真号に乗った私たち。
今度はもう「余裕」です。
前日、なるべく睡眠をとり、食べ過ぎに十分気をつけて乗船。
そのおかげか、はたまた海が穏やかだったせいか、帰りはほとんど船酔いはしませんでした。

そんな、なかなか快適な船旅の最中、例によって食堂でノマド?していたら、急に船内アナウンスが。
「タダアサミさん 至急フロントまでお越しください」。
乗務員さんがみな中国人なので、日本語に訛りがありますが、確かに私の名を呼んでます。
鑑真号には電話機がついているので、とっさに「電話かな?」と判断します。
でも、船の中にまで電話をかけてくるって、よっぽどのことのはず。そんなよっぽどって、たいてい悪いことが多いものです。

そうじゃないとすれば……。
その時、カメラを持って甲板に出ていた相棒のことを思い出します。
「あ、もしかして海に落ちたんじゃ……」。

トビウオなんかに気を取られて、手すりから前に出すぎちゃって、うっかりドボン、とか。

あの島までだったら泳げるかもしれないな、よし、腕試しだ、とか思っちゃって、ついドボンとか。

スケート好きだから、濡れてる甲板はスケート場みたいで面白いなあって、ツツーッと滑ってたら、うっかりドボンとか。

そんな想像に心底ドキドキしながらフロントに行ったら、お姉さんが私の名を確認した後、
こんなものを差し出しました……。

……

あらら、島騒動の最中だからでしょうか、写真がアップできません。
ということで、続きはまた今度。