北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

シベリアからのカモメ

写真、やっとアップできました。
取材した地元のアーティストの強力な勧めで、
昆明の翠湖というところに行ってきた時のものです。

秋から冬にかけて、昆明に毎年シベリアから飛んでくるカモメで、地元の人の呼び名を直訳すると、「シベリア赤くちばしカモメ」。
ほとんどの群れは、昆明の郊外の湖にやってくるそうですが、ここに来ると餌がもらえるので、そのうちの一部が昼間こちらに飛んでくるのだとか。
でも、一部とは思えない数です。

ある年、シベリアの異常気象で食べ物が減り、数が大幅に減ったことがあるそう。その時、昆明市民たちは市を挙げてのカモメ救援活動に取り組んだのだとか。

そういえば、最近の中国でも、鳥の生息情況は大きな話題。渡り鳥が乱獲で大幅に減ったり、水質悪化で大量に死んだりしているのに、多くの市民が関心を向けています。やっぱり誰しも、自然とは平和に共存したいですもんね。

ところで、このカモメたち、かなり人に慣れています。眼のすぐ前をバサバサ飛んでいくし、こうやって餌をやりながら写真をパチリなんて人も。

彼らを見ていたら、私もお腹が空いてきました。そこで道端で売っていた、シーサンパンナ名物、竹筒飯で昼ごはん。竹の筒をスパッと割ると、中からもち米が登場。ゴミが土に還る、エコおやつ。
看板にも自慢げに「緑色食品」とあります。

薄い皮は、竹の内側の皮で、売っていたおじさんいわく、「これを食べなきゃ意味がない。健康にいいんだから!」とのことでした。

昆明では、出会う人出会う人がみんないい人で、ほんと和まされたんですが、寒さの厳しいシベリアから飛んできたカモメはなおさら、心もお腹もほっと一息、って感じでしょう。