北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

雲南・昆明のアートと伝統芸能の現状+またまた、おぶらーとにくるんで

先回、雲南で取材したことの一つがやっと記事になりました。

http://www.shukousha.com/column/tada/1918/

「奨励金」によって伝統の継承を促進させることの意義には懐疑的な目を向ける人も恐らくいるでしょう。でも、日本の地方で行われている「民謡コンテスト」の類にも賞金はあるはず。日本では、子供を産むこと、つまり「命の継承」にも奨励金を出しているほどなのですから、何も言えません。

寂しいな、と思ったのは、劉さんの「昆明でコンサートをやっても、観に来る人は少ない」という言葉でした。昆明だって大都市ですから、少数民族の本格的な踊りを観る機会は少ないはずですが、北京や上海、海外などで公演したほうが、お客さんは来るそうです。

昆明の現代アート関連では、12月26日の朝日新聞の夕刊にも記事が掲載されましたので、ご興味のある方はご覧いただけると幸いです。
意外かもしれませんが、昆明のアートはけっこう中国の他の都市や世界とつながっています。
そのカギはやっぱりインターネット、特にマイクロブログ。

マイクロブログといえば、昨日、王府井の本屋で、伊能静の新書発表会の予告アナウンスが流れてきてびっくりしました。その本屋は、一時期、民主派の集会場所となった場所の近くにありますが、ばりばりの新華書店系です。場所が聞き取れなかったので、耳を澄ましましたが、一度しか言わず、しかも途中で途切れたような終わり方でした。他のアナウンスは繰り返し流されたので、明らかに不自然でした。

伊能静の南方週末への規制をめぐるマイクロブログでの発言は、際だって文才に溢れ、鋭いものでした。それが原因で、大陸でのマイクロブログは閉鎖され、11日に北京市内の別の場所で予定されていた新書発表会も自主規制で中止になったほど。
新著自体は、政治とはあまり関係がないようですが、そんな彼女が、こともあろうに王府井に登場??きっと中止だとは思いますが、気になります。