北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

今年の初夢

中国の大晦日、夜なべ仕事が体に響いてきたので、ちょっとまとめて寝ることにした。
すると、初夢……。


「一等賞だって、すごいね〜」
と友達が駆けてくる。何も知らない私は
「えっ、何の賞の?」
友達はいかにも感心したように
「貧乏大賞の一等賞だよ!!世界でいちばんビンボーな人ってこと!」


富士や鷹の夢でないのは別に構わないけど、よりによって初夢でこんな夢なんて。
でも、思い当たるふしはないでもない。


その① 2枚しか来てないのに、お年玉付き年賀状はがきの当選番号をつい調べてしまったこと。


その② 1月と2月、二人の妹が立て続けに子どもを産んだおかげで、晴れて「おばさん×2」に。でもお陰で、村上春樹の短編「貧乏な叔母さんの話」のイメージが生々しく顕現。昔、この短編を読んだ時、作中の「叔母さん」に自分の将来が重なってしまい、真剣心配になった。


・・・・・・
ま、何でも一等賞は得がたい、ということで、ありがたい夢ととることにします。