北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

鐘鼓楼地区の破壊計画、老舗はNO

今日は日中、Facebookから完全にシャットアウトされました。Googleでの検索もできなくなりました。
現在は回復しましたが。

理不尽な検閲と広告至上主義がなくなったら、私だって中国の検索エンジン、「百度」をちゃんと使うのに。
こういう形で「百度」を押しつけられると、かえって絶対使うもんかと思ってしまいます。

ところで、これまで何度か取り上げてきた鐘鼓楼地区の破壊計画、やっぱり老舗は動きたくないようです。
http://news.sohu.com/20120220/n335240425.shtml

予想していましたが、やはり店、顧客、商売をすべて失うのだから当然。

この記事は、有名な老舗たちの来歴やセールスポイントもちゃんと書いていて、感心しました。

ここに出てくるモツ煮込み屋の「姚記炒肝」は、テレビで取り上げられたり、アメリカのバイデン副大統領が来たりする何年も前から、私たちの大のお気に入りの店。同じく鼓楼横の「餛飩侯」に至っては、嬉し恥ずかし!十年前に相棒と私が初めてデートした時に立ち寄った思い出の店です。

鐘鼓楼を北京の旧城地区の重心のように感じていた人は多いと思います。民国期以前であれ、大雑院化した後であれ、庶民がそれぞれの思いを込めて育ててきたその風土や文化を、むやみに壊すことは、大変罪の重いこと。

そもそも、こんなに無神経かつ粗雑に「老北京」の遺産を押しつぶすことに、いったい何の利益があるんでしょう。その生活風景や食文化は、観光資源としても、最後の切り札となるのに。
どこかに残骸を集めた博物館や、味も素っ気もない、没個性のフードコートを作れば事足りる、というものでは決してありません。