北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

人生初の弾き語り

実は去年の秋あたりから、周囲が完全にベビーラッシュ。
今年の3月まで、冗談でなく、ほぼ毎月、周囲で赤ちゃんが生まれていた。

それにしても、赤ちゃんってほんとうによく育つ。ちょっと見ない間に、サイズが二倍近くになっていたりする。自分がもし半年後に二倍のサイズになったら、と想像すると、かなりびびってしまうので、やっぱり凄いことだと思う。

とはいえ、子供の成長を見守るお母さんたちは、揃ってみな幸せそう。そうなると、自分も何かを育ててみたくなったりするわけだが、花の水やりの権利はとうに相棒に奪取されているし、出張や旅行が多いから、ペットも飼えない。

そこで、「自分」を育ててみることにした。

といっても夢があることをしなくては意味がないから、と先日、半年近くねだってねだってねだりまくってきた、中古アコーディオンを入手。私は普通の人のようなスポーツができないので、運動不足の解消にもばっちりだ、とばかり、ちょっとした息抜きのタイミングに弾いている。

もちろん、貧乏暇なしなので、たいした時間はとれず、従って上達はかたつむりの歩み。
だが、自習用の教材はなかなかうまく作られていて、ちょっとずつ勉強した気になれる。さすがアコーディオン大国だ。

そして今日はとうとう、弾き語りに挑戦。考えたら、生まれて初めてのチャレンジ。昔やってたのは笛だったので、歌いながら演奏なんてできなかった。

でもって歌ったのは

一閃一閃亮晶晶〜、満天都是小星星〜

つまり

キラキラ光る〜、お空の星よ〜

日本語だったら、かえって恥ずかしくて歌えないかも。

というわけで、中国で学ぶメリット(なのか?)をしみじみ感じつつ、明日のエネルギーを蓄えたのでした。