北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

杭州にも戻って来た先生たち〜まだまだ続く民国期ブーム



(写真は北京での展覧会の時のもの。撮影/張全)

深圳でスタートし、昨年の秋には北京でも大反響を呼び、続いて南京でも開かれた「先生回来Come Back Teacher」展。民国期の教育界の偉人たちの足跡を追いつつ、民国期の教科書やグラフィックなどを並べた展覧会ですが、さらにパワーアップして、現在、杭州でも開催中、との連絡がきました。

会場は杭州南山路にある中国美術学院美術館。
残念ながら、十月二十日に閉幕とのことですが、二十日の午前中に、企画者である訒康延さんが講演をされるのだとか。

ここ数年の中国における民国期ブームは、とても興味深い現象。過去を顧みて今をよりよく知る、といういかにも中国らしい動きだともいえます。もちろん、奥には言うに言えない深ーい意味もあります。

さまざまな議論が比較的自由に交わされた民国期を「一番近い春秋時代」と語る訒さんは、大陸での「民国期教科書ブーム」の火付け役としても有名。「民国期って暗黒の時代だと聞いていたけど、けっこういい教科書出してるじゃん」と、多くの人を驚嘆させた、あのブームです。

同テーマのドキュメンタリーを手掛けたことがきっかけで、民国期の書籍の収集まで始めたという訒さん。きっとその講演では興味深いお話が聴けるはず。杭州近辺にお住まいの方にはお勧めです。

実は、『先生回来』展の詳細は、今年の二月号の『美術手帖』にも書いているのですが……もう図書館でしか手に入りませんよね。ごめんなさい。