北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

ネットでパジャマ事件その1

すみません、現在仕事が忙しいので、今回は連載形式で書きます。

最近、ネットショッピングをよく利用する。買い物に行く暇がない、ということもあるが、欲しい物がリアル店では見つかりにくい、という理由も大きい。
もう一つ、我が家の周りでは同じ名前の中国系大型スーパーが二軒も幅をきかせているので、そこばかりに行くのはちょっと癪に障る、というのもある。いずれも、地元で有名だった大型生鮮市場を蹴散らし、その後釜に座ったスーパーだ。もちろん、スーパーが買い物に便利なのは認めるし、店員たちに恨みはまったくないのだけれど。

私は運がよくて、ネットであれこれ買っても、そこまで深刻なトラブルに遭うことはなかった。
ある日、相棒のパジャマを買うまでは……。

ある朝、中国で人気のネットショッピングのウェブサイト、タオバオで相棒のパジャマを買った。それまで市場やスーパーに行くたびにあれこれ見てみたが、いいと思える質とデザインのものが、まさに一つとして見つからなかったからだ。ちなみに、北京でいいと思えて値段も手ごろな中年男性用の服を見つけるのはとてもとても難しい。

私がそのパジャマを選んだ決め手は、そのデザイン以上に、綿100%だったこと。ネット上の情報では原価の半分以下の値段で、あまりに気前の良い割引をしていたのが気になったが、店じまいセールか何かなのだろう、と気にしなかった。

だが、届いて見るとがっかり。安さの理由を、「ああ、そうだったのか」と納得した。