北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

何だか去年も同じ事を言っていた気がするが、
実は年明け早々から我が家ではアクシデント続出。

その一つが携帯がらみの詐欺に遭ったこと。
相棒の古いプリペイド携帯は、今はほとんど使われていない。
なのに、料金未払いで突然番号がフリーズ。
「プリペイド」である以上、料金がなくなったら電話はかけられなくなるはず。
だから、「未払い」は絶対にあり得ない。

調べてみると、絶対に電話をかける暇などなかった日時に、、
国際電話をかけたことになっていて、
けっこうな通話料がかかっていた。
かけたことになっている相手は、
行ったこともないし、知り合いもいない某島国の人。

ぜったいにどう考えてもおかしいが、
チャイナモバイルに苦情を申し立てても、なかなか回答がない。
お金の喪失ももちろんつらいが、時間も浪費されると、さらに悔しい。

それ以外にもいろいろあって、あれこれ慌ただしい中、
昨日、相棒はそのまま誕生日に突入。

私としてはケーキが食べたいところだったけれど、
どうせ相棒はケーキより餅(ナン)が好き。

ならば寿桃(中国で老人の誕生日を祝って贈る蒸しパン)ならぬ寿餅を、
と思ってちょっと張り切ってみたら、この有様。

祝うどころか、人生のでこぼこ感がさらに突出。
またしても、上のピーナッツだけが焼け具合上々。
こんな不器用な私が励ましても、
相棒にとても平坦な年は訪れそうもない。

ここはむしろ開き直って、
パチンコ玉のようにコロコロジグザグに転がり、
思わぬ窪みにはまるピーナッツのような、
スリリングな一年を楽しんでもらおう。