北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

書きたいことが山ほどたまっているのですが、
あれこれ事情があって、なかなか更新ができず、歯がゆいばかりです。

取り急ぎご報告です。

本日発売されたばかりの
岩波書店『世界』2017年3月号
〈問題を解決する展覧会〉
「借用と変革」展が掘り起こす、戦前の日中美術界の関係
が掲載されました。ご興味のある方は手に取っていただければと思います。
内容は、先回の朝日の記事の延長線上にあります。
執筆にあたっては、このご時世に日本と関係の深い展覧会を実現させた関係者らの勇気に
背中を強く押されました。


また、残すところあと2カ月となった「玩児家」(遊びの達人たち)を紹介する連載記事。
NHKラジオ中国語講座のテキスト『まいにち中国語』2月号
の口絵&コラムでは、コスプレダンスに夢中になっているグループを紹介しています。

取材中、彼らのリハーサル風景を見ていたら、思わず涙が出てきました。
日本文化の影響をもろに受けたコスプレダンスは、今の中国ではやはり何かと風当たりが強いそう。
親に反対されているため、こっそり練習しているメンバーもいるのだとか。

ある文化に魅力を見出し、好きで打ちこんでいるだけなのに、
何でその感性を批判されなければならないのか。
そんな哀しい不条理が、彼女らの放つオーラに独特の色合いを添えているように感じました。
もちろん、ダンス自体はとても明るく、若々しいエネルギーに満ちたものだったのですが。