北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

二刷における訂正

実はもうだいぶ前になるのですが、拙著『老北京の胡同』の二刷を出すことができました。
二刷を出す前に、もう一度丁寧に読んで見たところ、
訂正すべき点があることに気付きました。
二刷にはすでに訂正が入っていますが、
初版本を買ってくださった方には心よりお詫びを申し上げます。
以下が訂正個所です。
まずは、氷室の成立年代について、
p242 後ろから6行目
明代永楽年間→明の万暦年間
四〇〇年→三五〇年

また、伝説の妓女、賽金花について記した部分も、以下のように訂正しました。
p191 後ろから9行目
蘇州出身の→蘇州育ちの

賽金花については謎が多いので、そもそも経歴を正しく説明するのは難しいのですが、実は先日安徽省の古い村を取材した時に、その近くで「賽金花の故居」なるものが名所として新たに公開されていることに気付いたので、行ってきました。

正直、最初は「本物だろうか?」と半信半疑だったのですが、展示資料をじっくり読んでみると、その故居が、一家が没落するまで先祖代々住んでいた場所であることは、ある程度信じてよいように思われました。もっとも、「故居」と呼ばれているのはおもに賽金花が引退後に訪れているからで、子供の頃は、ほとんどそこに住んでいない可能性が高いのですが。

そこで、実際には蘇州出身とする資料もあるのですが、あえて蘇州は「育った場所」とさせていただきました。

この他、校正にあたっては、若干、表現の面でも訂正をさせていただきましたが、文章の意味は変えていないので、ここでは割愛させていただきます。

出版にあたっては、初校から三校までかなり気をつけてチェックしたつもりですが、やはり完璧とはとても言えず、お恥ずかしい限りです。