北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

集広舎コラム「歴史を変えた妓女、賽金花と小鳳仙」および「昆虫」

ここ最近、ずっとブログが開けなかったので、今、ほんとうに嬉しい。理由は不明。
数日前など、絶望のあまり、中国語のブログさえ開設してしまった。

http://blog.sina.com.cn/u/2779819933

せっかく中国にいるので、こちらもたまに更新しようと思う。
写真を中心にしようと思うので、もしこのブログに音沙汰がなかったら、安否確認のために覗いてやってください。

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あとひとつ、集広舎のコラムが更新されました。よろしければこちらもどうぞ。

http://www.shukousha.com/column/tada/2310/

色町の歴史をたどるのは、とても難しい。歴史を作った当事者たちを見つけるのが困難だからだ。たとえ目の前にいたとしても、本人がそのことを教えてくれない場合がほとんどのはず。しかも、解放後、妓女たちが更生施設に入れられると、この一帯はガラガラになったといわれるから、住民のほとんどは入れ替わっていると思われる。
もちろん、今の住民も、かつての歴史を好ましいものと思っていない可能性は高い。
でも、このテーマは面白いので、今後もずっと追っていきたい。

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余談だが、近所の子に「ゾンビ」呼ばわりされた同じ日、取材に向かっていると、こんどは同じ方向に歩いていたおじさんに、あきれ顔で

「おぬしも昆虫じゃな」

と言われた。初めて会った人の言葉にしては衝撃的。

最初は「ん?」と思ったが、すぐに意味が判明。

さて、いったいどういう意味でしょう??


北京の人はよく、マニアとか、あることに執着し、それで暮らしを立てていたりする人のことを「〜虫」という。有名なのが「書虫」、つまり本の虫。

あとは、レストランで食事にケチをつけて、結果的にタダ食いしようとする「飯虫」など。

実はその日は、昆劇の取材に行っていた。公演演目の中には、たいへんな「レアもの」があったので、その人は私を相当の昆劇狂いだと勘違いしたらしい。

昆劇マニアだから「昆虫」。

同じ日、「キョンシー」改め「ゾンビ」と呼ばれたばかりだったから、苦笑。どっちも人間じゃない!

最近、動物に感情移入しがちなのは、そのせいだろうか?

ちなみに、相棒は最近、私のことを「三次元の生き物」だという。四次元に必須の時間の概念が欠けているかららしい。確かに最近、昼夜の別がどんどんなくなっている。さて、

できるか、人間復帰?