北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

遼寧省に到着

またまたこりずに強行軍。
夕方、チチハル駅を出発。
チチハルについてはまだ少し書きたいことがあるが、今度また改めて。

列車の硬座(二等座席)で一晩眠れぬ夜を明かし、早朝の4時すぎに遼寧省の溝幇子に到着。さらに列車とタクシーを乗り継ぎ、目的の取材場所へ。
電話で関係者に連絡しただけだったので、実際に一番関心のある場所に入れてもらえるかどうか不安だったが、何とかパスし、胸をなでおろす。

何せ農村の朝は早い。
だから、昨晩は車中でカップ麵だけだったのに、朝のごはんも抜いたまま。睡眠不足を気合で振り払って取材に突入。

何はともあれ、今回の旅行で帽子を忘れたのは痛かった。
今朝に至っては、日焼け止めを塗る暇もなかったので、顔がヒリヒリする。
今回の旅の教訓。「東北地方だって夏は暑いし、日差しもきつい」。

何やってんだ自分?と思うも、現地の人たちの素朴さと活力などに救われ、エネルギーを120%補給。

そのままさらに強行軍で瀋陽に向かい、何とかとれたホテルで休憩。

今回一番困ったのは、瀋陽で外国人も泊まれる安いホテルを予約するのがとても難しかったこと。こんなこと成都旅行以来だ。

大丈夫と思っていた予約が次々と3件断られ、最後にやむなく、あるホテルチェーンの窓口に「どこでもいいから予約できるところを探して」と丸投げしたら、やっと170元台のホテルがとれた。

予約がぎりぎりになったことも大きいだろうけれど、
8月はもう終わりかけていて、旅行客だって決して多そうには見えないのになぜ?
瀋陽の治安が悪いのか、瀋陽が何かを怖がっている街なのか、「時勢」のせいか。
ちょっと今後の中国旅行が心配。