北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

我が家のほこり空気対策

大気汚染の行方、まだまだ北京では話題沸騰中。
普段、徹夜仕事したり電動バイクに乗ったりして、電気を使いまくっている私としては、これ以上電化製品には頼りたくなく、空気清浄機の購入も迷っているところ。
そもそも我が家は暖房も給湯も電気が頼りだし。

そんなわけで、今のところ、我が家の対策はかなり原始的。
王府井の本屋で部屋の空気を良くする観葉植物についての本を買ってきて、
どんな植物が部屋の空気をきれいにしてくれるかチェック。すると、何とも魅力的なラインナップ。
もともと、部屋はミニミニ級だし、そもそも住んでいる人の数より植木の数の方が何倍も多い家なので、相棒は「ええ、これ以上買うの?」としぶい顔。

だが、もともとあわよくば部屋中を植物だらけにしたい私は、
これはチャンス!と「空気をきれいにするためだよ〜」と説得して相棒と太陽宮近くの莱太花卉市場へ。

一歩入って驚いた。ここは南国?って思うくらい空気は温かくて湿気がある。北京の四環路内で、今一番、酸素濃度が高い場所なんでは、と思うくらいだ。
今回は取材も兼ねていたので、いろいろ見て回った後、それにしても華やかな蘭の花が多いな〜、普通の家はこんなの買わないよな〜と思ってから、はたと気づいた。

きっと最近の浪費撲滅キャンペーンで注文取り消しになった花が流れ込んでるんだな、と。
政府系のイベントなどで飾る豪華な花の注文取り消しが殺到し、花を扱う業者が困っている、という話を新聞で読んだことがある。

そんなわけで、今の花市場はけっこうなお花畑。
北京のほこりっぽい現実からエスケープしたい方におすすめです。

やっぱり最後に癒してくれるのは自然の力。

そんなわけで、我が家も、いずれは「密林」になっていくことでしょう。
ごめんね、阿全。