北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2015-01-01から1年間の記事一覧

王小帥『闖入者』レビュー

インサイトチャイナの6月号に敬愛する王小帥監督の新作、『闖入者』のレビューを書きました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/intro/38/ 『闖入者』は三線建設を中心とする国家政策が個人の人生にどう影響したかを、加害者でもあり、同時に被害者…

ARTSCAPEの記事と吉田寮をめぐる動向

最近ARTSCAPEのFocus欄に 「フォーカス 点、線から面へ──デジタルな形象に託されたもの」という記事を書きました。 http://artscape.jp/focus/10111345_1635.html 最初はそれぞれの作品の形象が点、線、面とつなげられることに単純な面白さを覚えたのですが…

書評二つ

ご報告がだいぶ遅くなってしまいすみません。 和光大学の加藤三由紀教授による書評が5月3日付の「しんぶん赤旗」に掲載されていたようです。 掲載していただけるとは聞いていたのですが、実際に掲載紙が届くとやはり嬉しさひとしおです。 「生活の場のあり方…

ちょっと嬉しい話

気のせいかもしれないけれど、今年の北京の空気は、去年よりましのような気がする。 大気汚染が問題になりはじめてからは、むしろ指数などをよく見て気にするようになったので、恐らく汚染に「慣れてしまった」のではない(と信じたい)。そんな中、目にした…

週刊金曜日に書評&展覧会開幕

ワンテンポご報告が遅れてしまいましたが、今号の『週刊金曜日』に尊敬する麻生晴一郎さんによる拙著『老北京の胡同』の書評が掲載されました。 また追って記事をアップさせていただきます。ちなみに、麻生さんのご著書『変わる中国』も、お世辞でなく、草の…

張全写真展「胡同游走」が間もなくスタート

5月22日から8月2日まで北京の日本食レストラン&バー、Sake Manzoで相棒が写真展「胡同游走」を開きます。営業時間は晩の6時から12時までです。 興味のある方はぜひ覗いてやってください。「胡同游走」展 Sake Manzo 団結湖北四条甲8号 電話:6436‐1608

恐るべしマンティス

まったくの勘違いかもしれないけれど、最近、実はうちの相棒のファンが少なからずいるのでは、と思い始めたので、調子に乗ってまた相棒ネタを。相棒の隠れあだ名はマンティス(かまきり)である。私がしごく勝手につけたもので、それは相棒が蚊が大嫌いで、…

東方書店のウェブサイト『東京便り』で紹介

今回、『北京・胡同の四季』展実現をサポートしてくださった小林さゆりさんが、東方書店のサイトで拙著についてご紹介くださいました。■ 東京便り―中国図書情報 第17回 【Interview この人に聞く (7)】 『老北京の胡同―開発と喪失、ささやかな抵抗の記録…

ヤダーの声調

正直なところ、私の相棒は、日本との縁が深く、日本人との付き合いも長い割には、 いまだに日本語があまりしゃべれない。そもそも私が 日本語が嫌いになるよりは、楽しく自然に勉強してくれた方がいいや と都合良く言い訳して、厳しく教えていないのも悪いの…

書評と紹介記事とラジオ・テレビ番組

たいへん遅くなって恐縮ですが、感謝の気持ちを表したく、その後、『老北京の胡同』および『北京・胡同の四季』展を取り上げてくださったメディアをご紹介させていただきます。 ちょっと長くなって恐縮です。日経ビジネスONLINE 福島香織さんの「中国新聞趣…

謎は解けないかもしれない

実はこのたび、以前翻訳させていただいた王軍さんの名著、『北京再造――古都の命運と建築家梁思成』の新装版が出ることになりました。そこで、ふたたび梁思成に関連するコラムを書かせていただきました。 http://www.shukousha.com/column/tada/4034/実はこれ…

お陰さまで二井康雄さんと相棒、張全の展覧会『北京・胡同の四季』は7日間の会期を無事終えることができました。 会期中は、悪天候が続いたのにも関わらず、多くの方々のご来場を賜りました。私たちが多くの方々に支えられてきたこと、胡同の風景がさまざま…

短期連載「胡同の黄昏」スタート

取り急ぎご報告です。 相棒の写真をメインにした短期連載 「胡同の黄昏」 を晶文社さんのサイトで始めました。 http://s-scrap.com/296

『北京・胡同の四季』展がスタート

いよいよ今日、書き文字作家の二井康雄さんと相棒張全のコラボによる 『北京・胡同の四季』写真展が東京の神田神保町にある古本屋さん「@ワンダー」の2階にある「カフェ二十世紀」にてオープンしました。 会期は来週17日まで、 時間は11:00〜19:00です。…

鑑真号、奈良、桜、古寺、旅したお坊さん

ここ数日、旅をしていました。 まず鑑真号で神戸港へ。 阿倍野ハルカス27階の社員食堂(本当は部外者禁制)で旧友とランチを楽しんだ後、 奈良へ。 この像、結構好き。 宿でチェックインした後、奈良公園へ。この日は二月堂で日没を眺めて終わり。 まったり…

11日満席&「それ日」発売

取り急ぎ、ご報告です。先日もお知らせしたように、4月10日から17日にかけて、 神保町の「ブックカフェ 二十世紀」で 二井康雄さんと夫の張全による 「胡同の四季」書き文字&写真展 が開催されるのですが、11日のオープニング・パーティ&トークは、すでに…

拙著の書評が信濃毎日新聞に掲載されました。簡潔でバランスが良く、分かりやすい内容でありがたいです。 本の帯にそう書かれているので、誤解されても仕方ないのですが、最初の2年間は大学の寮で暮らしていたり、途中でいったんアパート暮らしを強いられた…

ラジオ中国語テキストで古鎮シリーズがスタート

昨晩、ひょんなご縁から、 普段はめったに接することのない、日本の大学2年生の方たちと 食事の席を共にする機会に恵まれ、 感慨深いものがあった。なぜなら、私が最初に北京に来たのも大学2年生の夏、 気ままなバックパッカーとしてだったからだ。あの頃は…

朝日新聞、週刊文春に『老北京の胡同』の書評

今朝は、腰が抜けるくらい嬉しい知らせがありました。 朝日新聞(3月22日付)の書評欄で、拙著『老北京の胡同』が紹介されました。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11663570.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11663570 評者は有名な建築家で、…

湖畔でのたて笛レッスンと二つの市場、および映画『二重生活』と『唐山大地震』

春節休暇中、友人と前海のほとりで、たて笛を吹いた。なぜたて笛か?事の発端は、中国の某地方都市出身のその友人から、 相談を受けたこと。 子供の頃から何の楽器もいじったことがないという彼女は、 40歳になった今、急に何か音楽を演奏してみたくなったら…

「北京・胡同の四季 張全写真展」開催のお知らせ

相棒、張全の展覧会のお知らせですが、カフェの営業時間を訂正させていただきました。申し訳ありません。4月の10日から17日まで、「北京・胡同の四季 張全写真展」が東京の神田神保町にある「ブックカフェ 二十世紀」で開催されることになりました。 素敵な…

柴静さんの「穹頂之下」についてこっそり思うこと

すでに中国では大きな話題になっていて、日本でもわりと知られるようになった、元CCTVの人気アナウンサー柴静の「穹頂之下」。私も発表されて間もなく見て、その巧みなプレゼンテーションに感心した。 http://v.youku.com/v_show/id_XOTAxMzQ1NzY0.html ↑そ…

トリのネコババ

またまたニワトリネタを一つ。ことの始まりは、目の周りが腫れた相棒が、めずらしく進んで医者に行ったこと。 病院で薬を処方されたまではいいものの、ドーランのように白い塗り薬で、それを目の周りだけ毎日、塗らなくてはならない。 寝ている間だけならま…

ヒツジ年の初雪 東京新聞にて拙著紹介

北京はいよいよ恒例の爆竹の音とともに春節を迎えました。 爆竹だけでなく、花火も人気なので、胡同で上げられるとヒヤヒヤ。 ヒツジ年の到来を象徴するように、先ほど、羊毛を思わせる雪も降り始めました。新年とともに嬉しい知らせが。 昨日の東京新聞夕刊…

春節カウントダウン

いやもうドキドキの毎日です。 こんなにドキドキしながらの春節って初めてです。だって、隣の家から聞こえてくるんです。 「クヮッ、クヮッ」 と十中八九、春節のごちそう用に違いないニワトリの声が……いつ「絞められて」しまうのか、今日か、明日か……そうい…

人質事件について思うこと

ISISによる後藤さんの誘拐・殺害事件を受けて、名古屋のモスクでは、嫌がらせ、脅迫、信徒の子供へのいじめが増えているという。 そう伝える毎日新聞の記事を読んで、とても心が痛んだ。私には、こういう時のイスラム教徒の人たちの辛さをひしひしと感じた、…

毎日新聞「北京的風景」に紹介記事

締め切りに追われているので、簡単で恐縮ですが、取り急ぎご報告します。『北京的胡同』が毎日新聞ウェブ版のコラム「北京的風景」で紹介されました。 http://mainichi.jp/feature/news/20150203mog00m030011000c.html本は、東京駅近くの本屋で偶然目にされ…

北京風代行サービス

喫茶店で仕事をして帰る途中のこと。 最近はなるべく電動バイクに頼らず 自転車で移動するようにしているのだが じつは北京は平らに見えて、けっこう傾斜がある。 車に乗っていればほとんんど気づかないような勾配も 小さな自転車だとけっこうたいへん。 例…

『老北京の胡同(フートン)』発売

今日、拙著 『老北京の胡同――開発と喪失、ささやかな抵抗の記録――』 が発売されました。 口絵、挿絵を含め、写真はすべて相棒の張全が撮ったものです。 http://www.shobunsha.co.jp/?p=3433取材にご協力くださった皆様、機会をくださった晶文社の方々。 ほん…

猛ダッシュおばあちゃん

今日、楽しみにしていた自著の見本が自宅に届きました。 明日から日本の書店にも並ぶそうです。 プロモーションの期間の発言はしばらく大人しめにしようと思うので(できるか?)、今の内に初夢のお話を。今年初めての夢は、近所の、歩くのもやっとのはずの…