北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

胡同

人民網の「在中日本人の記録番組 中国と共に生きる」というコーナーで、岩崎元地さんが私たちと胡同との関わりを取材してくださいました。 http://j.people.com.cn/n/2015/0722/c94473-8924152.html胡同会が動画で紹介されるのは初めてかと思います。 会員の…

二刷における訂正

実はもうだいぶ前になるのですが、拙著『老北京の胡同』の二刷を出すことができました。 二刷を出す前に、もう一度丁寧に読んで見たところ、 訂正すべき点があることに気付きました。 二刷にはすでに訂正が入っていますが、 初版本を買ってくださった方には…

相棒張全の個展、七夕イベントのため一時期縮小されていましたが、また元の規模に復活したそうです。会期も8月16日までに延期されました。

ご興味がある方はぜひご来場ください。また、お時間があれば、メッセージブックにお名前や簡単な感想、メッセージなどを記していただければ。ありがたいです。『北京游走』張全撮影展 5月22日〜8月16日 場所:Sake MANZO 朝陽区団結湖北四条甲8号 (営業時間…

書評二つ

ご報告がだいぶ遅くなってしまいすみません。 和光大学の加藤三由紀教授による書評が5月3日付の「しんぶん赤旗」に掲載されていたようです。 掲載していただけるとは聞いていたのですが、実際に掲載紙が届くとやはり嬉しさひとしおです。 「生活の場のあり方…

張全写真展「胡同游走」が間もなくスタート

5月22日から8月2日まで北京の日本食レストラン&バー、Sake Manzoで相棒が写真展「胡同游走」を開きます。営業時間は晩の6時から12時までです。 興味のある方はぜひ覗いてやってください。「胡同游走」展 Sake Manzo 団結湖北四条甲8号 電話:6436‐1608

謎は解けないかもしれない

実はこのたび、以前翻訳させていただいた王軍さんの名著、『北京再造――古都の命運と建築家梁思成』の新装版が出ることになりました。そこで、ふたたび梁思成に関連するコラムを書かせていただきました。 http://www.shukousha.com/column/tada/4034/実はこれ…

お陰さまで二井康雄さんと相棒、張全の展覧会『北京・胡同の四季』は7日間の会期を無事終えることができました。 会期中は、悪天候が続いたのにも関わらず、多くの方々のご来場を賜りました。私たちが多くの方々に支えられてきたこと、胡同の風景がさまざま…

短期連載「胡同の黄昏」スタート

取り急ぎご報告です。 相棒の写真をメインにした短期連載 「胡同の黄昏」 を晶文社さんのサイトで始めました。 http://s-scrap.com/296

拙著の書評が信濃毎日新聞に掲載されました。簡潔でバランスが良く、分かりやすい内容でありがたいです。 本の帯にそう書かれているので、誤解されても仕方ないのですが、最初の2年間は大学の寮で暮らしていたり、途中でいったんアパート暮らしを強いられた…

朝日新聞、週刊文春に『老北京の胡同』の書評

今朝は、腰が抜けるくらい嬉しい知らせがありました。 朝日新聞(3月22日付)の書評欄で、拙著『老北京の胡同』が紹介されました。 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11663570.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11663570 評者は有名な建築家で、…

湖畔でのたて笛レッスンと二つの市場、および映画『二重生活』と『唐山大地震』

春節休暇中、友人と前海のほとりで、たて笛を吹いた。なぜたて笛か?事の発端は、中国の某地方都市出身のその友人から、 相談を受けたこと。 子供の頃から何の楽器もいじったことがないという彼女は、 40歳になった今、急に何か音楽を演奏してみたくなったら…

胡同が舞台の芸術イベントと四合院の再生

年初めに、胡同が舞台となったアートイベントと、四合院の改築が専門の建築家、許さんを紹介しました。 http://www.shukousha.com/column/tada/3854/ちなみに、この記事を投稿した後で得た情報では、鐘鼓楼地区の破壊的取り壊しは、鐘楼・鼓楼間の南北の通り…

正直者のおばさん

実は私はあんまりスーパーに行く方ではない。 野菜は十字花蔬菜社の友人たちが作っている有機野菜を毎週届けてもらっているし、すぐ近くの胡同にも大きな野菜市場が2つある。肉はそもそもあんまり頻繁に買わない。だが先日、どうしても必要な調味料があった…

今日は丸太を切った。

木こりになった気分で。 芯まで、すっかり乾いた丸太を。以前住んでいた四合院の敷地で、顔見知りの隣人が太い楡の木を業者に切らせていた。 せっかく、夏などいい感じに木陰を作っていたのに惜しいな、と思ったので、 「なぜ切っちゃうの?」 と聞くと、 「…

『西遊記 はじまりのはじまり』と、その他あれこれ

「インサイトチャイナ」の10月号に、 この秋、日本で公開される映画『西遊記 はじまりのはじまり』のレビューを書いた。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/ タイムリー?にも今回は香港映画。映画界においても大陸の資本が大きな力を持っている昨今…

9日に講演、テーマは大雑院

もっと早くお知らせすべきでしたが、実は今、 2014北京ONE国際パフォーマンスウィーク(北京ONE国际表演艺术周) が開催中です。パフォーマンスアートが中心のアート・イベントで、今年は胡同が主なテーマ。 固定したメイン会場を設けず、作品の必要に応じて…

やっとこさ帰巣

さて、いよいよ旅も終りに。移動は焦らず、がモットー(宿命?)なので大連、北京間の列車は全行程12時間のゆっくり型。こんどは寝台がとれたので「ラッキー!」と喜んだはいいものの とれたのは「上舗」。つまり松葉づえ組にはつらい三段ベットの上段。ネッ…

新聞スタンド消失をめぐる妄想

今は日本に一時帰国中なので実際に目にはしていないのだが、日経のニュースによると、現在北京の新聞スタンドが次々と壊されていて、長安街沿いでは50軒以上が消えたのだという。関係あるのかどうか分からないが、先回と今回の帰国直前のお話。昨年末に帰国…

『京城81号』とシソジュースと血の池

我が家の近くに幽霊屋敷として有名な建物がある。 昨晩、その屋敷を舞台にしたホラー映画、『京城81号』を観てきた。 正直、中国のホラーをちゃんと映画館で観るのは初めて。一番近くの映画館では、チケットが売り切れて見られなかったのに、なぜか私たちが…

お寺図書館&セルフサービス貸出マシーン

現在開かれている北京の区立図書館の内、一番小さいけど、一番インパクトがあるのは、 たぶん旧崇文区図書館、現在の東城区第二図書館です。 そこを訪ねた時の様子を、記事にしてみました。http://www.shukousha.com/column/tada/3251/お寺が図書館って、ち…

隆福寺をめぐる都市伝説

NHKの中国語ラジオテキスト「まいにち中国語」の8月号が出ました。 張全とともに毎月、口絵と巻末コラムを担当させていただいているのですが、https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=091010820148月号のテーマは北京の露店市…

本をめぐる東城区の環境

とうとう、日中の気温が体温に近づいたので、区の図書館に逃避。 知らぬ間に閲覧室で無料WIFIが使えるようになっていてびっくり。 以前はパソコンコーナーでしかネットはできず、要身分証だったのに。帰りに三聯書店に寄る。日本の小説の翻訳物コーナーがす…

鐘鼓楼周辺の破壊状況

昨日目にした、鐘鼓楼周辺の惨状。言葉を失う。 目隠しのため(?)か壁だけ残っているが、後ろはすでにガラクタの山。

アナウンサーか商売人か

またまたバオバオのお話。友人のひっこしにつられ、 なぜか私も部屋を整理していたら、キューピーマヨネーズのおまけについていた、 ミニミニキューピーちゃんが出てきた。日本では、あまり知られていないことかもしれないが、 北京のスーパーでは、マヨネー…

胡同で夜遊び

まだ胡同が夜、ちゃんと眠っていた頃、 よく相棒と自転車で夜の胡同を鑑賞した。といえば聞こえはいいが、つまり胡同で夜遊びをしていた。最近は、年のせいか?わざわざ夜に遠出することは減ったが、それでも時々ぶらっと出てみる。 昨晩も、胡同の中にある…

胡同の音

胡同での大雑院(北京版長屋)生活で出会う音には、ときにちょっとした意外性がある。東隣が買ったキリギリスが、大きくフライングしてエネルギー大放出中かと思えば、西隣りでは素人ドラマーが買いたてのドラムセットで練習に熱中。いっそ、あのリズムに合…

万松老人塔と古書店「磚読空間」

本好き、老北京好きに朗報です! 前門にある筆者お気に入りの古本屋さん、正陽書局が分店「磚読空間」を開きました。 その様子をレポートしてみましたので、興味のある方はぜひどうぞ。 http://www.shukousha.com/column/tada/3098/本を探しながら、文化財の…

春風胡同

昨日、取材の後の胡同散策で。 ああ、風がもうすっかり春だなあ、と思っていたら、たまたま通ったのが、春風胡同。 とはいえ、とうに胡同は消失、このビルも下は不動産仲介会社。ああ、無情。ちなみに、ここはムスリム街、牛街の近く。清朝の頃、ここにあっ…

東岳廟の廟会

北京で春節を過ごす人の多くが、無視したくてもなかなか無視しきれないイベントがある。廟会だ。露店がたくさん出る縁日のようなものだが、近年は公園などで開かれることがほとんどで、ほとんどお寺や宗教とは関係のないイベントとなっている。この廟会、人…

消えたタイムズスクエア

今年の春節は、普通の人にとっては尋常すぎるほど尋常なのに、私にとってはかなり尋常ならぬ迎え方となった。新しい家族が忽然と何人も目の前に現れたからだが、それはもうおとぎ話のようなことなので、フィクションの世界に投げ込むことにする。日本と中国…