北京・胡同逍遥

北京、胡同で暮らした十数年間の雑記 by 多田麻美/ Asami Tada

2014-01-01から1年間の記事一覧

お寺図書館&セルフサービス貸出マシーン

現在開かれている北京の区立図書館の内、一番小さいけど、一番インパクトがあるのは、 たぶん旧崇文区図書館、現在の東城区第二図書館です。 そこを訪ねた時の様子を、記事にしてみました。http://www.shukousha.com/column/tada/3251/お寺が図書館って、ち…

隆福寺をめぐる都市伝説

NHKの中国語ラジオテキスト「まいにち中国語」の8月号が出ました。 張全とともに毎月、口絵と巻末コラムを担当させていただいているのですが、https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=091010820148月号のテーマは北京の露店市…

本をめぐる東城区の環境

とうとう、日中の気温が体温に近づいたので、区の図書館に逃避。 知らぬ間に閲覧室で無料WIFIが使えるようになっていてびっくり。 以前はパソコンコーナーでしかネットはできず、要身分証だったのに。帰りに三聯書店に寄る。日本の小説の翻訳物コーナーがす…

こけつまろびつの天津取材

おととい、列車で天津まで日帰り取材に行った。まず電動バイクで北京駅に向かう。北京駅は近くに見えても、実際に近づくのはちょっと大変な駅。もちろん駐輪場もない。 だから、離れたところにバイクを停め、歩道橋を渡り、広場を横切ってやっとのことで駅の…

うっかり過ぎた5周年

何週間も過ぎてから気付いた。夫婦そろってすっかり忘れていたのだが、6月には結婚記念日があったのだ。 しかも5周年。そこで、ちょうど互いに欲しがっていたものを贈り合って記念にすることにした。 蚊に弱い夫へは実用重視でテント型の蚊帳。 鳥好きの私へ…

鐘鼓楼周辺の破壊状況

昨日目にした、鐘鼓楼周辺の惨状。言葉を失う。 目隠しのため(?)か壁だけ残っているが、後ろはすでにガラクタの山。

『しあわせな日々』の余韻

あぶない、あぶない。 うっかりしている間に、 第五回北京南鑼鼓巷パフォーミングアーツフェスティバルが後半戦に突入していた。スケジュールはこちら(中国語と英語)↓ http://penghaotheatre.com/pafschedule/これは見ておかなくては、と今晩あわてて駆け…

アナウンサーか商売人か

またまたバオバオのお話。友人のひっこしにつられ、 なぜか私も部屋を整理していたら、キューピーマヨネーズのおまけについていた、 ミニミニキューピーちゃんが出てきた。日本では、あまり知られていないことかもしれないが、 北京のスーパーでは、マヨネー…

北京を旅する二冊

空想上の旅にせよ、実際に歩く旅にせよ、 良質な旅の本には、二種類あると思う。まずは、①旅先で出会った人や風景への見方や接し方、対象との距離感などが独特かつ生き生きとしていて、「新たな旅の味わい方」を教えてくれる本。次に、②具体的な一つ一つの場…

胡同で夜遊び

まだ胡同が夜、ちゃんと眠っていた頃、 よく相棒と自転車で夜の胡同を鑑賞した。といえば聞こえはいいが、つまり胡同で夜遊びをしていた。最近は、年のせいか?わざわざ夜に遠出することは減ったが、それでも時々ぶらっと出てみる。 昨晩も、胡同の中にある…

北京をめぐる私見

先日、ここしばらく感じていたことについて つらつらっと書いたものが、集広舎のコラムで掲載されました。 http://www.shukousha.com/column/tada/3198/日本での報道にばかり接していると、日本の人が有名作家のサイン会などに行く気軽さで、北京の人も文学…

魔猫に猫ぐるま

先日、近所に住む女の子バオバオ(仮名)が遊びに来た。幼稚園の卒園式が終わったばかりとのこと。卒業証書を見せてくれたのはいいが、 数日後に小学校の入学試験の面接があるらしい。中国でも小学校は義務教育なので、北京戸籍のバオバオなら、結果が悪かっ…

胡同の音

胡同での大雑院(北京版長屋)生活で出会う音には、ときにちょっとした意外性がある。東隣が買ったキリギリスが、大きくフライングしてエネルギー大放出中かと思えば、西隣りでは素人ドラマーが買いたてのドラムセットで練習に熱中。いっそ、あのリズムに合…

映画『帰来』でほんとうに帰ってきた張芸謀

連載を請け負っているわけではないのですが、ご縁があり、6月号でも電子雑誌「インサイトチャイナ」の映画欄を担当させていただきました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/201406/今回も有料の読み物で恐縮ですが、本号は張芸謀(チャン・イーモウ…

ちょっぴり分かった気持ち

以前、相棒もお世話になったカフェバーShala(建外SOHO西区17号地下一階)で現在、書道のグループ展「第三回翠林会書展」が開かれているというので、行ってみた(会期は7/31まで、日曜休み)。 みどりさんの作品、「逢」私は書道に関してはずぶの素人なのだ…

電動車天国

最近見つけた電動自動車ベスト3。 北京ではよく個性的な改造電動バイクが走っているが、オレンジと赤のものはその中でもさすがと思った二つ。三輪と四輪だからすでにバイクじゃないけれど……。黄色い車はおととい行った河北省の某都市で乗ったもの。観光地の…

万松老人塔と古書店「磚読空間」

本好き、老北京好きに朗報です! 前門にある筆者お気に入りの古本屋さん、正陽書局が分店「磚読空間」を開きました。 その様子をレポートしてみましたので、興味のある方はぜひどうぞ。 http://www.shukousha.com/column/tada/3098/本を探しながら、文化財の…

北京は自由なのか

先日、798と黒橋芸術区に行った。 たまたまだが、一日の内に、現代アートつながり、という以外はいろんな立場で北京に住んでいる(または住んでいた)外国人たちの声を聴くことができた。個別に話を聴いたのに、驚いたのは、オランダ人も、フランス人も、イ…

『世界の夢の図書館』刊行

原稿の執筆をお手伝いした本、我が家への郵送分は中国の郵便事情の悪さからか届かなかったのですが、こんなきれいな本になっていたようです。http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4767817242/ref=sib_dp_pt#reader-link http://www.junkudo.co.jp/mj/products…

映画『黒四角』とボフミル・フラバル

奥原浩志監督の映画『黒四角』が、5月17日から日本各地で順次公開される。私も縁あって北京で鑑賞できたが、テーマや背景がとても親しみやすい上、いろんな意味で日中の映画人の力を結晶させているのが伝わり、力作だと思った。そこで、ぜひ多くの方に観てい…

『卵と石』のレビュー

ご報告が遅れましたが、電子雑誌版の「インサイトチャイナ」5月号で、黄驥監督の映画『卵と石』のレビューを書かせていただきました。(またまた有料ですみません)撮影を担当した夫の大塚さんによれば、撮影にあたっては4カ月村に滞在し、村に住んでいる…

ユーラ・スーパー&陳澄波の作品展

おととい、1カ月半にわたる缶詰生活を終え、何とか正常な生活に復帰。 禁酒も解禁しようとしたら、何とお気に入りのチーズがカビだらけ。私の住んでいる二環路内はチーズがまともに買えるスーパーがあまりないので、これは結構つらい。 こちら 安徽省産ウォ…

ネットでパジャマ事件その4

クレーム窓口に、あまり証拠になりそうもない写真と苦情の内容を送って待つこと2日間。、 クレーム受け付け用画面に、売り手のメッセージ 「私たちは買い手と連絡などとってません。いったいどういうことでしょう?」 が表示される。 売り手にタオバオから連…

ネットでパジャマ事件その3

電話やショートメッセージの着信音などは、慣れれば「ああまたね」という感じで大したことはないが、やはり「何が何でも言うことを聞け」的な態度は気に食わない。そこで、商品評価のコメントを敢えてこう書き直すことにした。「売っているのは綿100%ではな…

ネットでパジャマ事件その2

つまり、綿100パーセントどころか、これって、綿使っているの?というような手ざわりの布だったのだ。 返品は可能だったが、上海からの品で送り返すのは面倒だしお金がかかる。そもそも安い品でもあったので、まあ値段相応かも、というわけで諦めることにし…

ネットでパジャマ事件その1

すみません、現在仕事が忙しいので、今回は連載形式で書きます。最近、ネットショッピングをよく利用する。買い物に行く暇がない、ということもあるが、欲しい物がリアル店では見つかりにくい、という理由も大きい。 もう一つ、我が家の周りでは同じ名前の中…

スカンタコはなぜタコなのか

今朝、ふと思い出したことがある。子供の頃、大分から静岡に嫁いだ母の口からは、時おり濃厚な大分弁が飛び出した。実家からの電話を取った時の母が、突然いつもとぜんぜん違う言葉で話し始めるのを、よく驚きとともに見ていたのを思い出す。母は受話器を取…

インサイトチャイナの4月号で映画「無人区」を紹介

電子雑誌『インサイトチャイナ』の4月号に寧浩監督の映画「無人区」のレビューが掲載されました。 http://www.insightchina.jp/newscns/emag/# 単発の寄稿でしたが、久々の映画欄だったこともあり、楽しく書かせていただきました。 ただ、映画欄の試し読みは…

展覧会の紹介記事&相棒がやっぱり老北京だと思う一瞬

張全の個展にすでにご来場いただいたみなさん、ありがとうございます! 次の展示との関係もあって、絶賛延期中?です。お陰さまで、展示の内容が、人民網のブログで紹介されました。 http://blog.j.people.com.cn/?p=524 こういうブログができたんですね。取…

緑茶+ミントが許せるようになった日

慣れというものは恐ろしい。学生時代、欧米人の友人何人かに、緑茶は葉っぱ臭いから嫌い、と言われ、ちょっとびっくりした。広く愛されている嗜好品だからといって、どれもが国境を越えられる訳じゃないらしい。でも、言われてみれば緑茶って葉っぱの匂いが…